2005年06月25日

誰も知らない #371

2004年 日本 142分

主演の柳楽優弥君が第57回カンヌ国際映画祭の最優秀男優賞を受賞したことで2004年の邦画界の話題を一気にかっさらった作品。1988年に実際に起こった「巣鴨置き去り事件」をモチーフにしている。残忍な事件ではあるが、映画では「スタンドバイミー」のようなちょっとした子どものアドベンチャー風にまとめられている。子どもは基本的に前向きだということを再確認、良い面が出てて中身と裏腹になぜかほっとさせられる映画だ。「スタンドバイミー」と違うのは少年たちが冒険するのは我々の日常社会であること。世間と繋ぐ唯一の存在であるはずの母親を演じたYOUはまさに適役!バラエティ番組のキャラクターそのまんまの方があってた気もするけど。

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事実は小説より奇なりと言うが、この事件の実際もかなり複雑怪奇である。映画化に当たっては「どこまで」描くかというのがポイントだったと思うが、どこまでの一つ、「どこまで事実に近く」に関しては、この映画のままで良かったなと改めて思う。むごい姿は見たくなかった。それほどまでに子役たちはしげる君もみゆきちゃんも可愛かった。きょうこちゃんも比べると大きい分だけインパクトは少ないけどあれだけ無責任なお母さんを好きな気持ちが良く表れていた。そしてなんと言っても最優秀男優賞のあきら君。責任感が強く優しい少年で、すごく特異な環境にありながら他の小学生のような夢や気持ちを持っててとても自然で良かった。4人のシーンはなるべく「素」を映し出そうとアドリブで自然に出るまで撮ったようだけど、そりゃもうバッチリだ。

もう一つの「どこまで」は時系列的にどの時点までを描くか、ということだけど、母親は出てくるのかな、とか、少年たちは保護されるのかなとか、いろいろ思いながら迎えるラストシーン、これには冒頭のアタッシュケースを持ってモノレールに乗るシーンが頭から離れずにずっと引っ張られてて非常に印象的なシーンで終わる。この映画は起承転結ではない。起承転、かもしれないし、起承かもしれないし、もしかしたら「起」だけなのかもしれない。

誰も知らない
posted by 映画のせかいマスター at 05:22| Comment(6) | TrackBack(5) | た行映画(49)+ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする