2005年06月29日

独立愚連隊 #375

1959年 日本 107分

大東亜戦争(第二次世界大戦)末期の中国を舞台に、日本軍内で起きたある殺人を追って一人の男が潜入、事件の謎を追ううちに「独立愚連隊」と呼ばれるはぐれ者の戦隊があることを知り、単身乗り込んでいく。

タイトルでもある「独立愚連隊」の描かれ方が非常に興味深い。物語の舞台が独立愚連隊なわけではなく、主人公は新聞記者の振りをして日本軍に潜入する大久保軍曹(佐藤允)であるし、彼の弟である大久保見習士官をドサクサ紛れに処分したのは児玉隊の橋本中尉らである。独立愚連隊とは戦死したことになっていて所属軍隊に戻れず、いつ死んでもおかしくない危険地帯に赴任されたはぐれ者の軍隊である。たまたま真相を追ううちに接触した闇の軍隊なわけだ。

愚連隊のメンバーも個性的なキャラクターが揃っている。リーダーである石井軍曹(水戸黄門の風車の弥七の中谷一郎)は、真相を知りつつもノラリクラリと大久保軍曹を交わしつつ、いつの間にか友情を育む人情味溢れるキャラクターだ。自らの立場(=はぐれ軍隊)を知りながらも最後まで命令に服従しようとする。見張り役の二人もオトボケた感じで、手榴弾をおもちゃのように扱う。危険地帯にいながらにして死人を出さない部隊である。弟の無念を晴らした後も、大久保軍曹が愚連隊の元に戻ってくるのもわかる気がする。初めてお互いの素性を明らかにした大久保と石井だったが、敵軍が大挙攻めてきて・・・。

敵には襲われ、味方にも半ば捨てられている愚連隊は、確かにもの悲しいのだが、映画の雰囲気は終始明るい。佐藤允の明るい表情と台詞にもよるだろうが、ストーリー展開のテンポの良さが光っている。話の展開の中に中立の立場で静観する馬賊(鶴田浩二)や、狂ってしまった児玉大尉(三船敏郎がワンシーンのみ怪演!)が出てきたり、銃の名手である主人公が中尉と西部劇ばりの一騎射ちしたりしていいスパイスとなっている。また結構リアル(”乗り捨て”されたと怒る女性とか、道で倒れていた女性を隊員らが喜び勇んで拾ってきて喜ぶシーンとか!主人公のかつての恋人は慰安婦となって再会を果たしたり。)に慰安婦たちの姿が映し出されて慰安婦の描かれ方はんだけど、さらっと表現するところは岡本喜八監督の手腕だろう。他にも戦争に対するアンチテーゼが所々に現れていて、戦争映画としてみても面白いつくりとなっている。

posted by 映画のせかいマスター at 05:50| Comment(0) | TrackBack(0) | た行映画(49)+ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする