2005年07月01日

ダイナマイトどんどん #377

1978年 日本 143分 岡本喜八

舞台は昭和25年、米軍支配下の北九州。敗戦で民主化していく日本でおおっぴらに喧嘩ができなくなったヤクザが、プライドと縄張りをかけて野球大会でドンチャンやらかしまくる。

野球よりも任侠がメインなんだけど、いちおうちゃんと試合のシーンもあったりする。で、この試合がハチャメチャ。相手チームのエースが酒を飲んで自滅したり、金を積んで名選手(だったヤクザ)を引き抜いたり、バットを刀に改造してるし、タッチというよりぶん殴ってるし、野球らしい野球は全く無かったりする。でもこの頃(詳しい年度は調べてないのでズレはあるけど)って、本格野球漫画を映画化した「ドカベン」も試合はコメディっぽかったし、野球漫画も「アストロ球団」や「アパッチ野球軍」など破天荒なものが多かったので、こんなものだろうか。見ててストレスの溜まる野球ファンのために、戦地に赴くまではセネターズのエースだった熱血草野球のフランキー堺が、ヤクザチームのコーチとして熱弁をふるうシーンや、実写フィルムと混ざったセネターズの最終戦の映像などが用意されているのでご安心。勝って祝杯をあげるヤクザたちを横目に一人でこっそり屋台で酒を飲むフランキーの姿は野球好きならなんとなくわかる感覚かも。

でもって、主人公の遠賀川の加介(菅原文太)の暴れっぷりと、惚れた居酒屋のおかみ(宮下順子)とその旦那(北大路欣也)の三角関係が野球に飛び火して、トーナメント決勝で遇いまみえることになる。北九州の大イベントにスタンドには水商売のお姉ちゃんたちが大挙し、警察署長も一口賭けに乗って、盛大な決勝戦が始まる・・という話。

最初は喧嘩半分で始めた野球にだんだんと真剣に取り組み始めるヤクザたち。北大路が指が一本無くてそれを利用した魔球を投げるというのを真似して一本指を詰めてマウンドに登るピッチャー。喧嘩で負傷しても野球をやらせろと病院を抜け出してくる文太兄貴。両軍ともに乱闘で全員逮捕され、収容所で決着をつけようとボールを握る。

地元ヤクザの岡源組の組長は耄碌した嵐寛寿郎、新興ヤクザの橋傳組長は禿げちゃびんのなんとなく可愛らしい金子信雄、このキャスティングの意味がわからなかったのだが、当時のヤクザ映画の常連親分をパロディにしてそのまま登場させたみたいだ。

スポ根あり、任侠あり、喧嘩あり、笑いありのなんでもありありの話を、どうみても狙って作ったとしか思えない岡本喜八監督の70年代の奇作。

ダイナマイトどんどん


posted by 映画のせかいマスター at 15:12| Comment(0) | TrackBack(0) | た行映画(49)+ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする