2005年09月21日

仁義なき戦い 広島死闘篇 #443

1973年 日本 100分

今回の主役は北大路欣也。前回の舞台である呉の山守組から少し離れて広島市が舞台となっている。前回の山守組長的な存在を村岡組長(名和宏)が務めている。もちろん菅原分太や金子信夫も出演するが、今回は脇役に徹していることがシリーズの重みを増している。

時代は昭和25年〜30年まで。山中正治(北大路)は賭博場で暴れ刑務所に。丁度広能昌三(菅原文太)が土井組長殺害で服役中で監禁所にご飯を差し入れするという取ってつけたようなエピソードから始まる。これは原作の中にはちょっとだけしか出てこない山中のキャラに目をつけた脚本の笹原和夫がシリーズに組み込んだためで、実際には山中と広能に面識はなかったようだ。その点以外では村岡組と大友組の人間関係はその後のシリーズにうまく引き継がれており、脚本のうまさがさらに引き立っている。

さて、物語はその後出所した山中が大友連合と揉めボコボコにされる。介抱した村岡組長の姪靖子(梶芽衣子)を食っちゃって飯塚に逃げるが、そこでの活躍を買われ再び広島へ戻ってくる。その頃(昭和27年)広島では、村岡組と大友連合会が、広島競輪場の警備を村岡組が独占したことから再び険悪なムードになっていた。村岡の兄弟分の時森勘市を抱き込んだ大友勝利(千葉真一)は、村岡組を襲撃。村岡は山中に報復を指示する。山中は呉で広能組を結成していた広能に相談。広能が動こうとするが、時森は山守組長(でたー!金子信夫)に泣きつく。

というやや、ややこしい展開の中、広能は時森を処分(前田吟が「まあ、一杯飲んで」と差し出された日本酒をキューっといき自首するシーンはなんだか凄かった)し、山中は大友組の残党を殺害し、無期懲役となる。刑務所で叔父貴の高梨(小池朝雄・この人も悪人似合う!)に靖子と別れさせるために山中をヒットマンとしたことを告げられる。注射器で血を抜き、口から吐いて結核を装い病院に運ばれた隙に脱走。靖子の元に急ぐが、すでに脱走したことを聞きつけた村岡組長は嫁に出していた靖子を家に戻しており事なきを得る。

こうして村岡組長に踊らされた山中は出所した高梨を殺害し、警察に追われ隠れた家の中で・・・。

前作と比べると金子信夫の狡賢さには敵わないものの、これまた村岡組長の謀略が描かれている。腹心である成田三樹夫が一本筋を通しているのが救い。大友連合と村岡組は大抗争になる前に世論に後押しされた警察が活躍し手打ちとなるが、大友(千葉真一)のチンピラ風のたたずまいと裏腹に無茶苦茶えげつない仕打ち(川谷拓三を海で引きずりまわした上、吊るして射撃の的に!!!)や山城新伍、室田日出男、八名信夫らの元気な姿も拝める。

菅原文太の渋さに比べて北大路は後先を考えず突っ走る青春ストーリーとも見れる。シリーズを通して若者の弾けるエネルギーと、それを裏で操る老獪なお偉方という構図が見るものの心を打つ。

深作欣二

posted by 映画のせかいマスター at 05:40| Comment(3) | TrackBack(1) | 仁義なき戦い | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする