2005年11月30日

羅生門 #472

1950年 日本 87分

黒澤明監督作品。原作は芥川龍之介の名作。題と舞台は「羅生門」だが、中身は「藪の中」からとっていて、2つの物語を組み合わせたような設定になっている。もう著作権は消失しているので原文はすべて青空文庫で読める。

話はざっと以下の通り。

羅生門である出来事を振り返って思い悩む男達(志村喬と千秋実)、そこに通りかかった下人(上田吉二郎)が面白半分で話を聞きだす。男たちが語りだしたのは、ある殺人事件の顛末だった。

盗賊の多襄丸(三船敏郎)が昼寝をしているところに夫婦(森雅之と京マチ子)が通りかかった。女に目をつけた多襄丸が夫をだまし縛り上げて妻を強姦、その後、夫の死体が発見される。しかしこの事件、3人(夫の証言までもが巫女を通して語られる)の証言が全く異なっていた。

・・・

詳しくは原作を参照して欲しいが、この短い物語を映像化するに当たり、両原作のイメージを損なわずに新たなエピソードを加えたところが、黒澤明監督の凄いところだ。羅生門は本当に屋根の上には死体が転がってそうな雰囲気で、なるほどよく映像化したものだと感心。ラストは黒澤オリジナルであるが、羅生門をバックにわかったようなわからないような微妙な流れが見終わった後の複雑な気持ちを増強させる。「羅生門」は高校の時教科書で読んだが、多分その意味を汲み取れたのはごく一部の学生ではなかろうか。と、その中に入り損ねた私はつくづく思うのであった。難しい話ではないのだが、何を感じたと書けばよいのか正直レビューも書きにくい。

公開当時は酷評されたことが多かったようだが、以下の章を受賞、世界中に認められている。

# 1951年度ヴェネチア国際映画祭金獅子賞
# 1951年度イタリア記者全国連盟最優秀外国映画賞
# 1951年度アカデミー賞最優秀外国語映画賞

posted by 映画のせかいマスター at 07:35| Comment(0) | TrackBack(1) | ら行映画(17)+ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年11月26日

大脱走 #471

1963年 アメリカ 168分

第二次大戦中のドイツの捕虜収容所。捕虜のほとんどは脱獄だけが生き甲斐と言った連中ばかり。何度も脱走を繰り返し、その都度捕まって、という前半のくだりは収容所側の絶対の自信と、捕虜の浅はかさを感じさせる。その中でもきらりと光るS・マックイーン。わざと?捕らえられて独房に入り、その中で黙々と壁とキャッチボールをする。その音に反応して隣のアンガス・レニーが窓から顔を出す。その後の展開を期待させる。

そして脱走計画チームの緻密な作戦。人名をつけた3つの穴から土を出す方法。トンネルを移動する滑車の製作。パスポートの偽造。制服が似ているのでやや収容所の所員と捕虜の区別がつきにくいが、両者の攻防が緊張感と共に続いていく。

展開を飽きさせない個性的なキャラクターの存在も魅力的。J・ガーナー、R・アッテンボロー、J・コバーン、C・ブロンソン、D・マッカラムなどのオールスターキャストだ。脱走の直前になって目が見えなくなる偽造名人、閉所暗所恐怖症でやっぱり止めると言い出す人。穴を掘る時は脱走の目標があったので大丈夫だったらしい。おいおい(笑)

そして半数の脱走が成功し、列車、飛行機、オートバイ、とさらに先へと逃げていくのだが・・・。

実話の映画化だそうだが、ラストは切ない。脱走の計画のおかげで生きてこれたと振り返った後、銃声が鳴り響き・・・。しかしその中でもマックイーンは独房へと戻っていく。絶望の中にも少しの希望を期待せずにはいられないラストシーンだった。


posted by 映画のせかいマスター at 06:43| Comment(3) | TrackBack(6) | た行映画(49)+ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年11月25日

男はつらいよ 寅次郎と殿様(男はつらいよ19)#470

1977年8月 日本 99分

嵐寛寿郎に引っかけて、かどうか知らないけど鞍馬天狗の夢でスタート。満男におもちゃの鯉のぼりをお土産に買って帰る寅だったが、ちょうどとらやの庭には本物の鯉のぼりが。慌てて隠そうとするが、社長の一言でバレてしまう。さらに野良犬にとらと名付けていたことも発覚し、今回もまた旅に出て行く。

向かった先は四国の城下町・大洲。今日もまた財布には500円札のみの寅次郎。その一枚が風に吹かれて飛んでいってしまう。そこに通りかかったのが、大洲の殿様の血を受け継ぐ老人(嵐寛寿郎)。寅はお礼にと、ラムネをご馳走する。地元の人なら誰もがひれ伏す殿様だったが、そうと知らない寅次郎はいつもの調子で御殿に上がりこむ。

ここで出てくるのが執事の三木のり平。渥美清とは喜劇映画で共演しているが、ここでも寅を早く追い返そうとするいやらしい、でもおかしい執事役をちょび髭で演っている。とらやに上京の際にはしっかり愛人同伴!やることはやりますねえ。

で、殿様のお願いというのがあって、勘当した息子が若死にし、死ぬ前に息子の嫁に会いたい、という。酔った勢いで二つ返事で探してやると言う寅を追って、とらやを尋ねてくる。後に引けない寅は捜しに行くが、なんと大洲で会った美女・鞠子(真野響子)がその人であった。

感謝して帰る殿様は、鞠子と寅の縁談を持ちかけるが・・・。

未亡人のマドンナ真野響子さん。明るく優しいキャラ。天然なのか、「寅さんに会って、素直な気持ちになれて、・・結婚しようと思う」と明るく告げる。寅さん、小さな声で「誰と?」・・そしてまた旅へと・・・。ワンパターンかもしれないが、ある種芸術とも思えるこの展開。見る人はわかってて見てるはず。

嵐寛寿郎さん。ヤクザの親分の時は親分に見えるし、耄碌爺の役の時は爺に見える。そして今回は本物の殿様のようだった。さすが大俳優。

今回のトリビア
・なぜか大洲の街角でちょっと振り返るだけの巡査役で寺尾聡がシリーズ2回目の出演。本シリーズにはお巡りさんがよく出てくるが、当時の生活の中には欠かせない存在なのかもしれない。そういえば最近自転車でパトロールしてる警官なんてほとんど見たことがない。
・タコ社長の奥さんが声のみで登場。工場からとらやの社長へ呼ぶ声が。工場に来るのは初めてでは・・??

posted by 映画のせかいマスター at 07:45| Comment(0) | TrackBack(1) | 男はつらいよ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年11月21日

男はつらいよ 寅次郎純情詩集(男はつらいよ18)#469

1976年12月 日本 104分

北アフリカに20年前に生き別れた兄を追って来たさくら、ようやく兄と再会するが犯罪人の兄はその場で撃たれてしまい・・という夢からスタート。

とらやでは満男の家庭訪問。小学生になるとだんだんとストーリーに絡んできますね。美人の産休の先生が来るっていうんで大わらわ。そこへ寅が帰宅して、家庭訪問を台無しにしてしまう。満男に夢をかけている博はがっかりしていつもの喧嘩が始まり、寅は旅に出て行く。

信濃路長野の別所にて、第8作の坂東鶴八郎一座と再会。娘が大きくなって花形に成長。祝杯をあげるがお金が足らず、さくらが迎えに行くことに・・。あきれ返って寅を迎える一同、満男の先生の話も蒸し返し、「自分の娘くらいの先生に惚れてはいけない、先生のお母さんくらいだったらわかるけど・・」という絶妙の流れで先生のお母さん登場。

美人の先生が壇ふみ、母親が京マチ子というダブルマドンナ。実際に寅さんと接近するのは病気がちで世間知らずな母親。これが意外と急接近するのだが・・・。娘いわく愛情をあまり受け取ることなく育ったという母は、寅の思いを感じつつ、幸せに旅立っていく。

第2作目を髣髴させる展開だが、寅さんとマドンナの別れが死別というのも異色の展開で切ない。「人間はどうして死ぬのでしょうね」というマドンナの台詞が途中の劇団の中でも使われている。渋い!



今回のツッコミどころ
・母親が死の淵でとらやの芋が食べたい、と言い、寅が急いで八百屋で芋を買ってとらやで料理していると源ちゃんが訃報らしき報せを。急いで駆けつけたらすでに弔問客が・・って、早過ぎないかい??
・マドンナが住む家。第8作の貴子さん、13作の歌子さん、とそっくり。庭があって裏口から寅さんがひょっこり現れて・・。


posted by 映画のせかいマスター at 21:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 男はつらいよ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年11月17日

オープン・ユア・アイズ #468

1997年 スペイン 117分

トム・クルーズがハリウッドリメイクしたバニラ・スカイ #50 の原版。さすがに目をつけるだけのことはあって名作。ハリウッド版はハリウッドらしく、こっちはスペイン映画らしく(当たり前ですね??)、どちらかというとハリウッド版のほうが独特の世界を表現しすぎてるので、バニラスカイを見るんだったらこっちを先に見といたほうが良さそう。

2作品に共通して出演しているのがベネロペ・クリス。しかもおんなじ役柄。謎の美女役でどちらも良いんだけど、こっちの方が魅力的。小悪魔的な魔力が感じられる。バニラ〜ではちょっと借りてきた感じがする。それからもう一人のヒロインがやや屈折してるように描かれているので、よくぞキャメロン・ディアスがその役になったもんだと今さら思う。

ストーリーはほぼ同じ。ただ前述の通りバニラ〜の方が凝っているのでわかりにくいかもしれない。その分崇高な感じもするんだけど、そもそもが複雑なつくりであるため、オープン・ユア・アイズに軍配をあげたい。

この映画を作ったのは23歳で長編第1作『テシス・次に私が殺される』(95)が本国スペインで大ヒットになったアレハンドロ・アメナーバル。監督・脚本・音楽を担当した自信の第2作らしい。じゃ、25歳の時に作ったってわけ?すげー!!!


posted by 映画のせかいマスター at 06:36| Comment(0) | TrackBack(0) | あ行の映画(43)+ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年11月16日

トゥモロー・ネバー・ダイ(007シリーズ18)#467

1997年 アメリカ,イギリス 119 分

シリーズ18作目、ピアーズ・ブロスナンの2作目の007。今度の敵はメディア王。視聴率のためならどんなコンテンツでも放送する。さらには視聴率のために戦争をも起こしてしまう。昨今の日本のテレビ局の買収問題を見ても、TV番組のコンテンツの価値が見直されているのがわかる。TVイコール無料ですぐ見れるというイメージがあるけれど、実はそのコンテンツは貴重なわけですね。

英国艦が中国軍に攻撃され、英中間の緊張が高まるところから始まる。この事件がスクープをとるためにメディア王エリオット・カーヴァー(ジョナサン・プライス)が起こしていると読んだMI6はカーヴァーのパーティーにボンドを派遣。好きもののボンドはカーヴァーの妻となぜか以前懇ろになってて、秘密を聞き出そうとするのだが、その妻も変わり果てた姿で発見される。そしてその死のニュースはあらかじめ作られていてVTRで流されている。

さらにカーヴァーの野望は留まることなく、ベトナム領海でミサイルを発射しようとする。中国国外安保隊員ウェイ・リン(ミシェル・ヨー)と共に現場へ向かったボンドはカーヴァーの野望を粉砕することができるのか・・・。

前にも増してボンドカーはパワーアップ。見た目はBMWだが、絶対割れない防犯ガラスや、パンクしても元通りになるタイヤ。撒きビシを発射したり、ミサイルも発射する。なによりも携帯電話を開くとカメラ内臓のリモコンになっていて、後部座席にもぐりこんで運転する。立体駐車場でのカーアクションは運転手なしで行われるが、どうやって撮影したのかな。

そしてボンドガールはミシェル・ヨー。香港映画で鍛えただけあるアクションをこなし、ボンドにも頼らず一人で立ち向かっていく。東洋系の顔立ちは日本でも売れそうな雰囲気。

CIA局員ジャック・ウェイド、Mの幕僚長ビル・タナーさらにチャールズ・ロビンソン、とボンド側のキャラも豊富だが、数が多いとわけがわかんない。


posted by 映画のせかいマスター at 06:34| Comment(4) | TrackBack(3) | た行映画(49)+ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年11月15日

男はつらいよ 寅次郎夕焼け小焼け(男はつらいよ17)#466

1976年7月 日本 109分

4月。満男は小学校へ。叔父のことでからかわれているとも知らない寅は、ある日居酒屋で無銭飲食で邪険にされる老人をとらやに泊める。とらやでもやりたい放題の老人に一同の怒りは爆発するが、何を隠そう、この老人こそ日本有数の絵画師・池ノ内青観(宇野重吉)であった。

おそらく只者ではないんだろうと予想はしていたものの、本当にきちゃない姿にまさか本当に!と唖然とする。顔と名前が一致しなかったが、この人が寺尾聰の父の昭和の名俳優さんだ。そういえば寺尾聰もちょい役で出てる。30年前だが、別に若くないぞ・・。今とあんまり変わらない??

で、青観先生のラクガキが古物商(ここの主人役で大滝秀治さん2作めの登場)で7万円で売れたのに驚いた寅がとらやに帰ると老人は帰った後だった。満男のラクガキ帳に残ったもう一つの絵を奪い合い、タコ社長と破ってしまう。

この喧嘩が元でまた旅立つことになるが、旅先で青観とバッタリ。町をあげて出迎える龍野市の一行に、そういうのが面倒な青観先生は寅を代理で行かせる。課長(桜井センリ)らと毎日芸者をあげて大騒ぎ。桜井センリさん、いつもは真面目だが実は芸達者な課長役がはまってる。うまいねー。

で、そのトップ芸者が今回のマドンナ・ぼたん(太地喜和子)である。この人もまたリリーに負けず劣らず個性的。この人のシリーズがもう一作くらいあってもいいのに、と思う。美人薄命というが早すぎる死が惜しまれます。儲け話に乗って200万円を騙し取られ、取り返しに東京に来るが、あえなくかわされる。一緒に付いてきたタコ社長も手玉に取られ、怒った寅は犯罪人になる覚悟で飛び出すが、どこに行っていいかも知らずに、結局その足は青観先生の家へ。

ここからは、涙なみだの真剣勝負。とある芸者のために絵を描いてくれと頼む寅、金のために絵は描けないと断る青観先生。罵詈雑言を浴びせ出て行く寅。向かったぼたんの家で見たものは・・??感動のラストも見逃せません。




posted by 映画のせかいマスター at 07:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 男はつらいよ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年11月14日

男はつらいよ 葛飾立志篇(男はつらいよ16)#465

1975年12月 日本 100分

葛飾立志篇のタイトル通り舞台は柴又、考古学を長年探求するマドンナ(樫山文枝)に感化されて学問をする!という志を立てる寅次郎。葛飾が舞台だと話があちこちに飛ばない分だけ安定してる。

寅さんが足長おじさんとなって毎年お金を送り続けていた(と言ってもいつもの500円)少女、桜田淳子がとらやを訪ねてきた。寅に間違いがあったんじゃないかと疑うお約束の展開(笑)売れ始めた頃のゲスト出演だと思うが前半のちょっとしたエピソード部分を引っ張っていく。

♪ようこそここへクッククック、と歌いながらとらやの前を自転車で通り過ぎる轟巡査役は米倉斉加年。この人、近年は絵画師として活躍しているが、男はつらいよシリーズにもいろんな役で出ている。今回の巡査役もバッチリはまっていて、もしや第10作のようにマドンナに絡んでくるのかと思わせる展開。

そこへ割って入ったのが、考古学の教授役の小林桂樹。これまでも志村喬、宮口精二・・と学識ある役柄の人はたくさん登場してきたが、今回は一味違う。2階に下宿している御前様の親戚のマドンナに会うため、とらやを訪ねた教授は寅に「温かいものでも食べさせてやれ」と窘められてしまう風貌。四六時中タバコをふかし、研究室は灰皿で満杯。研究の他にも雑学にも詳しく、寅との会話もまったく引けを取らない。考古学チームと朝日印刷チームの草野球後の宴会でも「ベートーベンのナンバーより」と言いつつ歌いだしたのはソーラン節。本当にこんな人いそうだし、いたら面白いだろうなーと思う良いキャラクターだ。

で、マドンナに感化された寅。今まで何人も学問を志す人に出会っていたが、いつもの調子で交わしてきた?わけだけど、相手がマドンナとあらばそうもいかず、学問を志すことに!と言ってもやってるのはメガネを買ったり、2階に家庭教師で習いに行ったり、とたいしたことはしていないんだけど(笑)結局は教授にプロポーズされたマドンナが結婚で悩んでいるのを結婚するものだと思い込んで旅に出るのであった。・・・が、そこで待っていたのは・・・?オチも効いてます。

posted by 映画のせかいマスター at 20:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 男はつらいよ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年11月12日

二代目おいちゃん松村達雄(男はつらいよ雑談3)

9作目から13作目までのたった5作品だったが、森川信さんに続き2代目おいちゃんを務めたのが松村達雄さん。その前にも町医者役でシリーズに出演しているのだが、森川さん急逝に伴い登場。おいちゃんのときはメガネをしていないので別人のようだ。

タコ社長とは二人でよく飲みに行っているようで、タコがフラれた話とかこっそりばらしてる。名シーンは13作目、宮口精二が吉永小百合へ言葉を贈った後、「酒をもってこい」と場を展開させるところ。涙ながらに聞いている後ろ姿からのその展開は、あの場を収めるのに説得力抜群だった。

その後も別の役柄でシリーズに神出鬼没の不思議な存在。日本映画界にも欠かせない存在だったが、2005年6月90歳で死去。残念!あのおいちゃんの90歳の姿もまだ見たかった。
posted by 映画のせかいマスター at 07:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 男はつらいよ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年11月08日

男はつらいよ 寅次郎相合い傘(男はつらいよ15)#464

1975年8月 日本 90分

海賊船に乗ったさくら達を奴隷商から助ける寅次郎。という夢からスタート。これまでのシリーズ本編に出演した上條恒彦、米倉斉加年が海賊役で出てる。

いつもなら夢から覚めた寅の帰宅で始まるが、今回はなかなか帰ってこない。代わりにエリザベス女王のTVに釘付けのとらやにやってきたのは11作目のマドンナ・リリー。前回すし屋の女房になってたが、離婚しまた歌いながら旅をしているようだ。一方寅次郎、ひょんなことから会社の重役・兵頭(船越英二)と旅をしている。函館の屋台ラーメンで2人は再会。長万部、小樽と旅をする。

今回はちょっとシリーズの中でも異色作。と言っても山田洋次監督得意のロードムービー風のつくりである。もっとも年がら年中旅をしている寅さんなので毎回ロードムービーなわけなんだけど、「男はつらいよ」では故郷の柴又が一つのテーマであるためじっくり旅を追う事は少なかった。そこへ、女版寅さんのリリーを絡ませることでうまく場面の展開に成功している。さらに船越英二がうまく場を中和してる。初恋の人を訪ねていくシーン、何気に哀愁が漂っていたが、去っていく船越をみて、まあそんなもんだよなあと妙に納得したりする。

最後は喧嘩別れする2人だが、柴又に帰ってきた寅次郎は反省。そこへリリーが現れ・・・。柴又では腕を組んで買い物に行ったりかなり良い雰囲気の二人。ついには寅さんの嫁さんになっても良いとまで言うリリーだったが・・。

15作の中で私的にはぴか一の作品。タイトルでもある相合傘のシーンは印象深い。「濡れるよ」「濡れたっていいじゃないか」「風邪ひくよ」「風邪ひいたっていいじゃないか」とらやの番傘がくるりと回る。

本音でぶつかり合うリリーと寅。言い過ぎて喧嘩になってしまうところは小学生みたい。どう見てもお似合いの二人だったんだが・・。

寅さんトリビア
・船越英二の娘役で前年「愛と誠」でデビューし、役名がそのまま芸名になった早乙女愛が出演。ほとんど台詞もなく、子役みたいな感じ。

posted by 映画のせかいマスター at 07:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 男はつらいよ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年11月07日

男はつらいよ 寅次郎子守唄(男はつらいよ14)#463

1974年12月 日本 104分

子宝を授かろうとお百度を踏む夫婦(博とさくら)に、神様(寅)が赤ちゃんと金銀財宝を授けるという今回の話を暗示する夢でスタート。柴又では博が工場の機械に腕を挟んで病院へ。おばちゃんは帝釈天でお百度を踏むが、怪我はたいしたことなく、一同ホッと一息。そこへ寅帰宅。自分の葬儀の貯金をしていると話す。一度見直す皆だったが、寅の葬儀話(江戸川に屋形船を出して花火で云々・・)にあきれ、喧嘩になって飛び出していく。帰ってきたその日に出て行くのは珍しい。

所変わって佐賀唐津。唐津くんちで行商する寅次郎は呼子で宿を取る。隣に呼子ストリップの踊り子に逃げられた男(月亭八方)と赤子が。酒を飲んで自分の生い立ちを話す寅、朝目覚めると赤子と置手紙が・・・。この赤子、仕方なく柴又に連れて帰ったものだから大騒動に・・。

今回のマドンナは十朱幸代。博の通う病院の看護婦役。明るく元気でとらやでの夕食の話題もグイグイ引っ張っていく。寅さんにギャグで返す。今でも綺麗だけどこの時は本当に綺麗です。なんとか寅を病院に行かせないようにするとらやの面々だったが、2人は出会い、寅は一目ぼれ。

さて、2人の仲は・・という所で、上條恒彦登場!寅さんよりも無骨で貧しく口下手な存在。上條の部屋に上がりこんだ寅が楽譜の裏から十朱の写真を見つけ、恋の指南役に回る。そのまま酒を飲んで盛り上がった二人は十朱のいるとらやへ。そこでズバっと告白しちゃう。2人の恋を見届けた寅は正月の行商に旅立っていく。



寅さんトリビア
・踊り子役で春川ますみさん2度目の登場。船着場で寅と会話する姿はなんかセクシー。今回の裏マドンナとも言える存在で、ラストシーンでも登場。九州の肝の据わった女性を素晴らしい存在感で演じています。
・とらやでの会話から寅さんの年齢が判明。この作品時40歳。確か1作目か2作目で30何歳かだったような気がする。ちなみに渥美清のこのときの年齢は46歳。寅さんは渥美清よりも6歳年下になる。
・今回から3代目おいちゃんで下絛正巳が登場。前の2人に比べるとややおとなしい感じがするけれど、なんとここから最終作までおいちゃん役を続けることになる。新しいおいちゃんのイメージを作ったことに拍手。

今回の笑いどころ
・江戸川合唱団に付いてきた寅と源。当然おとなしく見ていられるはずがなく、預ったさくらのバッグから口紅を取り出して源の顔にラクガキ・・。この2人のからみは安定してますね。
・上條恒彦のことを指して、おばちゃんが慌てて「ヒゲ中顔だらけの人」。おばちゃんはほとんど素に見えるけど、演技うますぎ。

posted by 映画のせかいマスター at 20:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 男はつらいよ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年11月04日

ヴァン・ヘルシング #462

2004年 アメリカ 132分

この映画、見てないんだけど、妙に懐かしい。そう、このブログの前身映画のせかいの開始時に丁度上演されていた映画だ。開始時から良くして頂いてる活動映像の街のぽこさんのブログがこの映画のテンプレートだった。私もこの際、見に行っちゃおうかなあなんて思っていたけど、結局「アイロボット」を見に行ったんだっけ。もうwowowで放送されるんだねー。

ああ、ほとんどの人にはどうでも良い話ですねえ。

本編は古くから作られているドラキュラもの吸血鬼の接吻 #24を見てる方には、すさまじく進化したつくりだ。狼男、フランケンシュタイン、ドラキュラ・・と「怪物くん」状態。ジギルとハイドはリーグ・オブ・レジェンド/時空を超えた闘い #329とおんなじ「ハルク」!ドラキュラの分散されたセクシーな羽根っ娘は孫悟空が髪の毛でミニを増やすみたいだった。

で、この方々が最初っから最後まで、ずっとハイテクアクション。どこから見ても凄いバトル。一体制作費はいくらかかったんだろう??見終わったら・・流石に疲れちゃった。こんなにすさまじい作品でも数年後の評価はどうなってるんでしょうねえ。とにかくモノスゴイの期待する気分の時に見てください。


posted by 映画のせかいマスター at 07:05| Comment(2) | TrackBack(1) | あ行の映画(43)+ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年11月03日

80DAYS #461

2004年 アメリカ 121分

ジュール・ヴェルヌ「80日間世界一周」をジャッキー・チェン主演でディズニー映画がリメイク。
ジャッキーが主役ってことで、なんとなく名作も身近に感じられるんだけど、主役なのに脇役っぽいのがチョイ不満。ジャッキーって、なぜかハリウッドでは少しお間抜けな絶対的主役じゃないんだよね。

で、タイトル通り80日で世界一周するわけだけど、飛行機のない時代にそんなことが可能なのか、というのが見所の一つになるはず・・だけども、CG使った演出は近未来的ですっかりそんなことを忘れさせる。どちらかというとカンフー主体か。

原作では中国を経由するのかどうか知らないが、ジャッキーの故郷を訪問するなか、騒動に巻き込まれて・・というエピソードは世界一周の中に入っちゃうとなんか異質な感じ。

ま、でもディズニー映画らしく随所に楽しめるつくりで、特にシュワちゃんのところなんて最高に笑える。シュワ銅像とか。気楽に楽しもうと思ってみるべきかな。

なお、最初の映画化作品は1956年の「80日間世界一周」。シャーリー・マクレーン、マレーネ・ディートリッヒ、フランク・シナトラらが出演しアカデミー賞を受賞している。こっちも是非観たい!

posted by 映画のせかいマスター at 07:58| Comment(0) | TrackBack(0) | あ行の映画(43)+ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする