2006年01月11日

故郷 #482

1972年 日本 96 分

 この映画の2年前に作られた家族#416へと続きそうな作品。同じシリーズではないが、家族の構成やキャストは同じで、まるでこの映画の後、北海道へ旅立って行ったかのよう。家族のオープニングと故郷のエンディングがダブって見えてしまうのは私だけではないだろう。

そうやって2つの映画を見てみると、面白い点に気付く。明るかった弟の前田吟はその後サラリーマン生活、住宅で都会の暮らしに流されてる。いつも立ち寄って家族の暮らしを外部からこっそり支えていた魚屋さんの渥美清は北海道に渡る船で家族のその後の行方をしっかり見守っているようにも見える。

さて、本編の主人公は小さな船で埋め立ての瓦礫を運ぶ船長、奥さんが結婚後に資格を取った機関士長である。収入のほとんどはオイル代に消え、船の修理代に四苦八苦している。時代の流れや大きなものには勝てない、と小さな船を諦めて故郷を去ることになってしまう。「大きなものとは一体何なんだ?」とつぶやくのだが、現代で客観的に見たら、小さな船でちょこちょこ運ぶよりも大きな船で一気に運ぶ方が効率的なのは自明だし、小さな船が勝るのはコストの安さくらいなもので、やはり時代の流れには勝てなかったと思われる。だが、逆転の発想をすれば小さな船は今流行の「ニッチ」産業で、何か一工夫すれば勝てそうでもあるのだが、それはやっぱり時代の発想なのかもしれない。「大きなものとは一体何なんだ?」の私の答えは「時代がもたらす発想」である。

さらに「遥かなる山の呼び声」へと続くようだが、こちらは未見。

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家族#416


posted by 映画のせかいマスター at 07:08| Comment(0) | TrackBack(1) | か行の映画(33)+ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする