2006年05月22日

七人の弔 #546

2004年 日本 107分

タイトルは似ているが「七人の侍」のパロディではない。登場人物が7人というわけでもない。たけし軍団のダンカンが脚本主演監督を勤めた映画は、子どもの虐待をメインテーマに親と子の非情な物語だ。

山登りのキャンプに集まった7家族。妙に子どもを可愛がっているが、実は山で子どもを殺して臓器移植を提供して大金を得ようとする親たちの集まりだった。ギャンブル好きが興じた者、会社がつぶれて生活に困った者、宗教にはまってお布施稼ぎ、借金苦、浮気相手と心中した前妻の子を憎んだ者、遊び人の若いツバメを連れ込んでる母、良いママを演じる独り身の母、など背景は違えど、みんな考えることはただ一つ。

7人の中の一人でも提供者がいなくなれば山分けの額が増えるとあって、崖に落ちた子どもを助けようとしなかったり、紛れ込んだ泥棒に人質にされた子どもを見殺しにしようとしたり、いろんな駆け引きがみられる。この家族同士の駆け引きだけでもなんパターンか作れそうである。

また臓器を受ける側の金持ちの老人が教育委員会を装って、品定めに来たり、ブラックな話題が続く中、子どもたちはあくまでも明るい。親を信じぬく子、いがみ合いながらキャンプを続ける子、年齢はそれぞれだが、だんだんと共通項を見出していく。

子どもの無限の可能性を恐れ、子どもにばれないように監視すべきだと親たちに何度も言うダンカンだったが、親たちは昼間から飲んでカラオケに興じる。この無責任さや軽さがなんとなく大ごとでも軽く済ませちゃおう、という雰囲気が出てて面白い。

だが、ついに子どもたちはこのキャンプの秘密を知ってしまう。子どもたちの逆襲はあるのか・・・?

B級といえばB級だけど、面白おかしく見ようと思えばそう見えるし、真面目なテーマだと見ればそう見えてしまう。なかなかの力作だと思った。北野武監督の切れ味や破天荒さは無いものの、あえて抑えて不気味に作ったとも作風は評価に値する。次回作も見てみたい。





posted by 映画のせかいマスター at 06:49| Comment(2) | TrackBack(2) | さ行の映画(54)+ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする