岡本喜八監督。日本敗戦の日、その一日をじっくりと追うドラマ。なんと言っても広島への原爆や、その日に至るまでをコンパクトにではあるが(この辺ももう少し見たかった)映しているので、オープニングのタイトルが出るまでに20分かかる。
で、ポツダム宣言を受け入れる(=敗戦を認める)、それを国民に知らせなければならない、ってことでいろいろと各々の思いが錯綜した様子がわかる。志村喬、総理の笠智衆、と説得力のあるキャスティングで、天皇陛下のご決断が勇気のいることであるが、大事なことだったとして描かれる前半。そして長い一日はそれだけでは終わらず、矛先の収めどころを失った兵隊たちが蜂起する。
226事件で起きたことは知っていたけれど、終戦の日にも似たようなことがあったとは知らなかった。伝え聞くのは前半部のことだけだった。
今の政府にハラキリを行えるような政治家がいるだろうか?憲法第9条が話題になっているが、すぐに戦争と結び付けて考えるのはよくないのかもしれないが、戦争が起きるともう一回この長い1日を繰り返さないといけないということだ。
ラベル:岡本喜八