ベトナム戦争を赴く兵士の視線から狂気に満ちた世界をリアルに描く。訓練兵の前半と実地の後半、前半はわかりやすいストレートな展開で前半のラストも強烈、しばしその余韻に浸りつつ、あれ、後半は複雑なのかな、インパクトで前半に負けちゃうのでは?と思いきや、ラストにかけての盛り上がりは前半以上!
人格など無いものと言わんばかりのしごきで、とうとう狂ってしまう兵士。だが、実際の戦地ではもっと厳しい世界だった。刺激に弱いといわれる現代日本人は、こういう世界では生き残れないだろう。普段つまらないことですぐ文句言っている人たちが、もしも明日からこういう世界に放り込まれたら・・・。日本は平和だし甘やかされすぎているのかな、とも思ってしまった。無論私も生きていけない一人なのであるが・・・。
また戦争に反対しながら戦地に立つ兵士はいないだろうが、主人公は戦場記者なので、台詞の中で戦争反対を匂わせるようなメッセージを入れることは可能だったと思うが、まったくそういう素振りも無い。ドキュメンタリーにも見えるつくりの中に戦争の真実があるのだろう。
それにしても戦地の建物があちこちで燃えている映像は凄い!本当にバズーカ砲で銃撃してるような爆破。どうやって撮ったのか知らないが、物凄い物を作ったものだ。