1974年 日本東宝 211分
企業モノの続きということで邦画版。大財閥の一族の物語。銀行の頭取で、子どもたちはそれぞれ鉄鋼業などの企業を経営する一族。こういうのを見ていると、夢とか無くたって個性とか尊重しなくたって、教科書どおりに前に倣えでいい大学入っていい会社に入ったら良いのかな、なんて思っちゃう。しかしどんなに頑張ってもこの一家みたいにはなかなかなれない。華麗なる、というタイトルには「華族」っていう意味も入ってるらしいが、名家のお話だ。サクセスストーリーでは決して無い。ま、親子で骨肉の争いも辞さないという人生よりは、貧しくても平和な方が良いかなあ、なんて思ったりもするのだが・・・。
最近キムタク主演でドラマ化されてるけど、こっちの映画版はエンターテーメントには欠けるが、結構リアルでシビア。キャストもむちゃくちゃ多いけど、異彩を放つのは田宮二郎と愛人の京マチ子。余所から一家に入ってきたという点で共通点を持ち、一家の中では異色の存在だ。田宮二郎がこの映画の主人公の死に方に感銘を受けて、同じ死に方をしたという説もあるらしい。
それと、山崎豊子原作ということで、モデルがあるんだろうなあと思ってたら、神戸太陽銀行合併を基に書かれたようだ。