2007年08月21日

海は見ていた #950

山本周五郎原作、黒澤明脚本

危ないところを機転を利かせて娼婦おしん(遠野凪子)に助けてもらった侍(吉岡秀隆)が、彼女を思い、何度も通うようになる。最初は叶わぬ恋だと二人を近づけないようにしていた娼婦たちも、仲間が侍の妻になれるなら、とおしんをバックアップし、恋を見守る。しかしそれが不幸の始まり、侍は婚約相手との結婚を娼婦宿に報告に来る。

宿の娼婦たちと、そこに集まってくる男たちの暮らしを描く。最初のエピソードのあと、姉さんの清水美砂には人でなしの奥田映二、おしんの元には永瀬正敏が懇ろになるが、男二人の関係はいつしか緊張したものに・・・。

そしてその糸が切れた時、事件は起きてしまうのだが、それを打ち消すかのように嵐が来る。海は氾濫し町は海によってすべてを飲み込まれてしまう。海がすべてを水に流して、すべてが「0」になる。海はちゃんと見ていてくれたという台詞があるが、まるで本当に海が娼婦宿を見守っていたかのよう。天災であるけど、そこに明るさを見出す人間たちのいつもとは違った一面、私の日常の中にもちょっと見方を変えればなにか変わるものもあるのかもしれない。

黒澤明監督
posted by 映画のせかいマスター at 06:34| Comment(0) | TrackBack(0) | あ行の映画(43)+ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする