1952年 日本 92分
息子が戦争で亡くなり、甥っ子と病院を再会した老医師が、甥たちが旅行に行って休診にして留守番してる日に限って、いろんな人がやってくる。大阪から上京したばかりなのに暴漢に襲われた女、18年前帝王切開で子供を取り上げてもらった女、指を詰めるから麻酔してくれというチンピラ(若き日の鶴田浩二)とその女(淡島千景)、全員バラバラの人たちなんだけど、どっかでつながっていく。
休みの日に来るのはろくな患者じゃないとばかりに、一癖あるひとばっかり。そこを断りもせず、本人を否定することもなく、優しく接する医師。甥っ子と、なんで飯食う暇もなく人の世話をするんでしょうねえとか言われて、医は仁術を地で行く。お金はいつでもいいから、と手術もするし、そうかといって言いなりになるわけではない。
病院の前が溜池だったり昔の風景も興味深いが、こういう先生は何時の時代でも貴重ですね。