2014年 ドラマW
小川洋子原作のドラマ。海外で人質にされたまま攻撃されて跡形もなく亡くなってしまった日本人数名。彼らが死ぬ前自由の効かない小屋の中で、朗読会をしていたのを盗聴したテープが発見される。あるジャーナリストがそれを聞き、公開しようとする。
現在(ジャーナリストの取材)と過去(人質の朗読会)がうまくリンクしながら、朗読する内容がそれぞれの幼少の頃の話で、たまたまそれを聞いていた認知症の老女が自分のことだとわかったり、旦那が死んで2年間つらい思いをしていた主婦が立ち直るきっかけになったり、時間をつないでいくところが良かった。それぞれの話も他愛もないことのようで、それでいて、生きていくってことはそういうことなんだな、と改めて思うような話ばかり。もしこれが普通の状況だったら途中で聞くのをやめてしまうかもしれないが、いつ死が迫ってくるかわからない、隔離された空間で仲間意識がある中で真剣に聞くとどれも感動する話になっていく。ちょっとしたエピソードでも心に残ったり、人生無駄な部分なんて無いんだなと感じた。
小川洋子さんの小説はそうした日常を切り取るのがうまい!
一番メインキャストみたいな大谷直子さん(これがまたキレイ、何歳だ!?)が最初に朗読し、後半ほどあまり知らない役者さんが出てきて、それがまた持っていく。構成そーとー練ってますね。