2006年04月13日

素晴らしき日曜日 #515

1947年 日本 108分

黒澤映画には珍しく、普通っぽい人が主人公で、特に事件が起こるわけでもなく、普通の日曜日を描いた作品。・・でも、最初から狙ってかどうかは知らないけど、この映画の風景、カップルの行動、その当時の戦後の日本を知るためにはかなり貴重なフィルムである。

公園で子どもの野球に一回打たせろ、と乱入。ピッチャー振りかぶった瞬間、牛が通って試合中断。すげー。アジアの国の田舎の景色みたいだ。

焼け野原となった廃屋を喫茶店に見立てて遊ぶシーン、人が周りに集まってハッとしてやめちゃう。こんなボロボロの土地が私の小さい頃にはまだ残っていて、確か工場の跡地だったと思うけどよく基地にして遊んでいたものだ。

主人公のカップルはとにかく貧乏。二人合わせて35円しか持ってない。無料の住宅展示に入ったり、動物園に行ったり、ついには喫茶のお金が払えずに着ていたコートを置いていく。

ラストシーンの野外音楽堂で誰もいないのに指揮者のマネをしようとして挫けてしまうところで、拍手を求めるのだが、これは映画を見ている観衆に向けてフィルムの中から語りかけるという手法だったようだ。あとで気づいた。

当時、こういうカップルは多かったようで、この映画に夢を重ね合わせた方々も多かったということだ。現代に見るのもいろんな意味で興味深い。アパートで抱こうとして涙ぐむシーンなんていいですよね。ほんと、貴重な作品!

ちなみに主演の中北千枝子はゴジラシリーズ製作の田中友幸の妻で、ニッセイのおばちゃん自転車で〜♪のCMの人。主演作はこの作品だけだけど、日本映画界の名脇役として「世界大戦争」やゴジラシリーズなどの他、「ニッポン無責任時代」や他の黒澤作品とたくさん出ている。


posted by 映画のせかいマスター at 07:49| Comment(0) | TrackBack(1) | さ行の映画(54)+ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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素晴らしき日曜日
Excerpt:  今回紹介する作品は、 黒澤 明 監督作品、 素晴らしき日曜日(1947年) です。                    【解説】  楽しくなるはずの日曜日のデートでことごとく厳..
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