寅さんが帰ってくると、見合いの話が持ちきりなんだが、誰も本人に気付かず、ニセ寅さん(レオナルド熊)が登場!っていう夢からスタート。起こしたのはレオナルド熊。相方の石倉三郎も後半蕎麦屋の出前持ちで登場するんで、コントレオナルドの絶頂期かな。
話は寅さん柴又に帰らない新パターン。博の父親の3回忌で備中高梁に墓参りに行く。その帰り際、酔っ払った和尚の松村達雄と出戻り娘の朋子(竹下景子)に出会いそのまま泊めてもらう。翌朝、朝食を誘われるが「キリがありませんから」と断る寅だったが、急遽二日酔いの和尚のピンチヒッターで法事へ行くことに。寺の前で育ったから、と怪しく笑わせながら(ほとんど行商の話と同じ^^)、無事大役を務める。
その後もついつい寺に居ついてしまい、法事に参加する寅さん。ついに朋子との縁談話が街を駆け巡る。結婚するには坊主にならねばならぬ、と帝釈天の御前様に修行に戻る。
一方、和尚の長男中井貴一は大学にも行かず趣味のカメラに熱中、学費を使い込んだことからついに家を追い出される。恋人の杉田かおる(若っ!19歳です)が東京へ追いかけてとらやで落ち合う。
そして修行も三日坊主で逃げ出した寅さんの元に朋子が訪れ・・・。
かなりいい感じの二人だったが、柴又の駅のホームのシーンはなんとなく定番となった別れのシーン。のちのシリーズで3度別の役で出てくる竹下景子との最初の?別れだ。なんとなく山田洋次監督の竹下景子への信頼感がにじみ出ている1作でした。
さて、見どころはいろいろあるのだが、まずは二代目おいちゃん松村達雄。寺の和尚役で何度目かの復活。シリーズには欠かせない存在ですね。
それから博の兄弟シリーズ。残念ながら父親役の志村喬さんは 前年1982年に亡くなってしまったが、8作目の博の母の葬式の流れと全く同じキャストが登場。父親の家が映るが、8作目のときはSLが背後を走り、本作では同じ構図で電車が走ってる。凄いこだわり!博の兄弟は相変わらず仲が悪く、遺産で喧嘩になるが、ラストの後日談で、博は遺産をタコ社長の工場に寄付してることが判明。お礼に、と社長が満男に買ってあげたのはなんとパソコン。初期の頃のやつでしょうね。冒頭で喧嘩してた社長と博の仲直りも含めて演出凝ってる。そしてさくらの家に届いた年賀状で瀬戸内海にいる寅さん。再婚したレオナルド熊とばったり再会、洗濯物干したままだった、という台詞から、家族3人の洗濯物干しが映って終了。あの洗濯物、なんだか情緒があってよかったです。ハイ!
ラベル:男はつらいよ
最初の夢は、いつものことながら、主題の見事な象徴でしたね。
別れの場面の上手さ、味の良さ。脇にいる倍賞千恵子がうまいんです。
博一家の使っていた冷蔵庫は1966年頃の製品。ということは、16,7年前の冷蔵庫を使っていることになり、つめて暮していることが分り、泣けました。
かなりお詳しいようですね。強縮です。
博や社長の家具や車はスタッフが中古をわざわざ探してきているみたいでしたね。
ホームの倍賞千恵子はそれまでに何度か出てきましたが、どれも名シーンですね。あの別れ方いいですよねー。ではでは今後ともよろしくお願いします。
寅さんのニセ坊主に大爆笑の作品でした。もしや寅さん、とうとう天職を見つけたか?と思いましたが、やっぱり世の中甘くないですねー。
1日2作アップって凄いですよねえ。いったいどんな生活を・・??
あそこで寅さんが帝釈天で修行するところがよかったですね。そのまま岡山にいたら本当に坊主になってたかも・・・