映画が始まる前のBS2の寅さん百科で取り上げられていたように、「義侠心」がテーマ。義侠心と書けば難しそうだけど、要するに「困った人を助けよう」ということ。寅さんはよく、困ってる人を助けてる。とらやの面々にも「なぜ困っているのに助けてあげないんだ」と怒鳴ってる。それはとらやの一同も同じで、たまにタコ社長が適当なことを言いに来てもおばちゃんがびしっとたしなめる。シリーズを通してこの精神は貫かれているように思う。
さて、満男が駅前で出会った子どもは寅さんを探している。聞けばテキヤ仲間の子どもで、父親が亡くなり、別れた母を捜しているらしい。寅さん版母を訪ねて三千里の開始だ。大阪で警官のイッセー尾形に職務質問され足止めを食らい、和歌山でも会えずじまい。泊まった旅館で子どもは熱発してしまう。夜中に老医師の松村達雄(なんだかすっかりおじいさんになってる)をたたき起こし、たまたま隣に泊まっていたマドンナの秋吉久美子も応援に駆けつける。寅さんを子どもの父親と勘違いし、とうさんかあさんと呼び合う二人は意気投合する。
シリーズの中では珍しく恋愛感情が芽生えることなく?二人は別れるが、ここからはだんだんと寅さんの恋愛も少なくなっていく。年齢も年齢ですからねえ。島で母親の五月みどりと再会し、別れを惜しむ子どもを寅さんは厳しく叱り、柴又へ帰るのである。この別れのシーンは結構ジーンときます。小さいけど、母親を支えなければいけない子どもへの愛のムチかな。
ラベル:男はつらいよ
恋愛は少なかったですが、子どもとの旅、母親との再会、感動の場面は多かったですね。
恋愛なしの寅さんもいいかな。