第二次大戦の真っ最中、砲撃を受けた船が沈み、救命艇に命からがら逃げ込んだ数人の男女。バリバリの女性記者、足に怪我を負った男、黒人コックと母子・・。最初はトランプやわずかな食料で何とか平静を保っていたが、最後の8人目に救出した敵のドイツ人が乗ってから、だんだんと心乱れていく。
海の上のボートという密室で、戦争の相手を迎え、ボートの行き先も定められない中での疑心暗鬼。中でも記者役の女性はふてぶてしくタバコをふかし、男二人はポーカーに興じ悲壮感のないままに怪我を負った男が悪化する。以前は医師だったというドイツ人がボートの上で緊急手術、とりあえず成功してホッとするのも束の間、嵐が襲ってくる。
場所が限定しているだけに場面場面の展開が大事なので、次々になにか事件が起こるようにはなっている。全体を通じて敵側のドイツ人を信じていいのか悪いのか、というテーマは現代に見るとピンと来ないものもあるが、悪い海賊を助けた、っていう感じで見てた。ラストの答えは母子が知っていると言う台詞はどう見るか、まだすんなりとは落ちてきていないのだが・・。
少人数なので流石にヒッチコックは出てこないだろうと思っていたら、新聞記事の写真に出ていたみたい。すご!
ラベル:ヒッチコック