1920年 アメリカ 22分
文化生活一週間(One week)は、結婚式を終えたカップルが組み立て式の家を自力で建てるが、幸せを妬んだ男がこっそりパーツの番号を書き換えて傾いた変てこな家が出来上がる、というお話。結局番地も間違えてて引っ越す破目に、というオチなんだけど、特筆すべきはキートンの動き。アクション映画とも取れそうな落下や回転に端正な顔つきのまま無表情で耐え抜く。サイレント映画ではこのわかりやすいリアクションが楽しい。喜怒哀楽を封印してるのは理由があるのだろうか?“ストーン・フェース(石の顔)”と言われた無表情は、1920年ごろから次第に作られていったようである。
1895年生まれのバスターキートンは公開当時25歳、チャップリンよりやや若い。1920年代に主演作品がブレイク、没年の1966年まで映画には出ていたが、黄金期は1920-1928年とも言われている。その理由に声質が悪くトーキーに合わない、人気がチャップリンへ移っていったなどが挙げられている。体を張ったアクションが徐々に少なくなったのも一因で、人気凋落後はアル中で入退院を繰り返していたようだ。1950年代に作品が見直され、映画にも復帰。チャップリンと共演した「ライムライト」ではアドリブも含めた絶妙な絡み合いを見せている。
明日もバスターキートンです。
2005年08月14日
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