2005年08月19日

馬鹿まるだし #415

1964年 日本 87分

「馬鹿まるだし」「いいかげん馬鹿」「馬鹿が戦車でやって来る」と続く馬鹿3部作の1作目。主演はハナ肇。クレイジーキャッツのメンバーも全員どこかで花を添えている。さらに長門勇
、藤山寛美、小沢栄太郎、穂積隆信と何気に豪華。なんと言っても「寅さん」の前の山田洋次監督作品で、主人公の安五郎は寅さんの原型とも言われている。ちなみに渥美清も脇役で登場、奥さんにやきもちを妬いて安五郎に仲裁されるどうしようもない旦那の役。

当時の生活がにじみ出ていて興味深い。お風呂がぬるいからもっと火をくべて頂戴、と子どもに風呂の窓から叫んだり、町の噂は床屋などで尾ひれが付いて回っていく。リストラは首切と呼ばれていたが当時から健在だったみたい。事件が起きると警察や町長や町の人たちが集まって喧々囂々と言い合う古きよき時代の町の人々のコミュニケーションがあちこちで展開される。そしてその中心はぶきっちょだけど誠実で真っ直ぐな男、安五郎。つまりは「馬鹿」な男だ。おだてられて持ちかけられて、もてはやされて、寺に居候して泥棒を捕まえ、「東京ターザン」の力男(ちからおとこ)と駆け落ちした娘を助け出したり、首切り反対で煙突に登った男を救いに煙突に登って飲めない酒で酔っ払ってしまったり、とにかく大活躍。風来坊から手下を従えたヤクザの親分へとのし上がる。町長選に絡んだ賭博容疑で臭い飯を食い、一度は泥を塗られるが、裏山に立てこもったダイナマイトを持った犯人めがけて突撃する。

物語を通して最初の寺の未亡人とのロマンスが中心なんだけど、安五郎が中盤で見た舞台「無法松の一生」で涙した台詞を未亡人に告げるところなんて泣けてくる。2人が心を通わせたと思われる序盤の寺の門のシーンも会話からだんだんカメラが引いていき遠くから傘の中の二人を捕らえるカメラワークが渋い。そして未亡人の答えをダイナマイトで負傷していた安五郎は気付くことができず、二人は別れていく。

15年後、ナレーターだった植木等がでてきて、この物語の語り部が誰だったか知る事になるが、植木さんの軽いテンポで語られる安五郎の最期、山田洋次監督ならでは、のシーンがたくさん詰まっている。

posted by 映画のせかいマスター at 08:20| Comment(0) | TrackBack(1) | は行映画(37)+ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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