1970年1月 日本 90分
シリーズ第3弾。半年の間に4本のシリーズを完成させるせいか、山田洋次監督は脚本のみ、森崎東監督の作品となっている。どちらかと言うと寅さんはきりっとしてて台詞も渋い感じがするが、その分ずっこけアクションで笑いを取ってる場面もある。
オープニングはどこかの旅館で結婚式の大騒ぎに巻き込まれて風邪で寝込む寅と女中(樹木希林)が話しこむシーンから。さくらの写真を妻だと紹介する。ここで蒸気機関車が通って歌に入るが、関係なさそうであとのエピソードにつながっている。
柴又に戻った寅を待っていたのは縁談話。タコ社長の計らいで現れたのは駒子(春川ますみ)。実は寅さんとは顔馴染みで、話を弾ませているうちに亭主との間に子を授かっていることがわかる。そのままとらやで寅が二人の縁結びをし結婚パーティーに。なかなかにくい演出だったのだが、とらやのツケでハイヤー(タクシーにあらず)を呼び熱海まで新婚旅行だと大盤振る舞いしたもんだから、おいちゃん達と大喧嘩。ついには博とガチンコ一騎打ちになってしまう。ついに家を飛び出し旅に出る。
1ヵ月後、おいちゃんとおばちゃんが湯ノ山温泉に旅行に出掛けた先で、番頭として働く男の噂を聞く。どうやらおかみさんが気に入ってそのまま居付いてしまったらしい。その男こそ何を隠そう寅次郎なのである。
前2作が寅帰る→喧嘩して出て行く→旅先で美女に会う→また戻るというパターンに対して3作目は旅先でロマンスを膨らませる。よってフラれた寅さんを慮るのはとらやの面々ではなく、旅館の従業員たち。下足番(左卜全)がいい感じでおいちゃん風に「馬鹿だねー」と言ってるのがおかしい。
それからこの作品では寅さんが若者の恋指南役を買っている。おかみさんの弟の河原崎建三と芸者の香山京子のキューピットとなって旅立たせる。この二人がうまく行かなかった理由がまた時代を感じさせ、儚い。こういう部分をさりげなく映し出すのもシリーズの特徴かもしれない。
今回の笑いどころ
1.寅さんが河原崎建三にコタツの中で手を握れ、と指導。コタツには男女2人ずつ。お約束だが、手を握り合っていたのは2人の男。
2.かっこよく江戸川の河川敷をあばよと立ち去ろうとするが、ずっこけ。
2005年08月24日
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