2005年09月12日

男はつらいよ 寅次郎恋歌(男はつらいよ8)#437

1971年 日本 114分

9月の長雨にたたられて、客足の遠のいた旅芸人一座(この後の作品でも度々出てくることになる坂東鶴八郎一座)を訪れた寅次郎、宿まで送ってもらったお礼に、お金を渡す。が、間違えて5千円もあげてしまう。定番のお札間違えギャグからスタート。

そしてとらや。これまた定番の寅次郎のお迎えシーンから。とらやの前をちょろちょろ、なかなか入ってこない寅、や、絶対ヘンなタイミングで現れるタコ社長など、よくもまあ毎回違うパターンを思いつくものだなと思うくらい趣向を凝らしている。

で、今回もまた初っ端から大喧嘩、旅立っていく。そこへ博の母親の危篤の電報が。新幹線で実家の岡山県備中高梁に向かう博とさくらだったが時既に遅く、葬式となる。訪問客の中に普段着で現れる寅次郎が。いつもの調子で墓前で笑わせ、兄弟の顰蹙を買ってしまう。父親に不満を持つ続け母親が不憫でならない博はその夜兄弟と言い合いになる。私は男兄弟に憧れていたので、涙を流しながら言い合える、このシーンはうらやましく感じる。そして一人残った父親(第1作目同様志村喬)と2,3日過ごすことになる寅次郎に、志村喬が話を聞かせるシーンは名シーンの一つ。ジーンと来ます、この人やっぱり凄い!「人間は絶対に一人じゃ生きていけない。人間は人間の運命に逆らっちゃいかん。そこに早く気がつかないと不幸な一生を送ることになる。」という寅にも自分にも言い聞かせているような台詞、重みがあります。

柴又に帰った寅が、この話を受け売りで話すがおいちゃんたちが茶化すというこれまた定番シーンを経て、今回のマドンナである六波羅貴子(池内淳子)の登場だ。帝釈天の前で喫茶店を開業した彼女は小学三年生の子どもを持つ未亡人。寅に会わせまいとするおいちゃん達だが、狭い町内で出会わない訳がなく、目出度く?出会ってしまう。

早速子どもと仲良くなり、急接近する。貴子には1−6作のマドンナのような男性はいなかったが、店は借金を抱えており、自分の力では解決できないと諦めた寅は、風の強い夜再び旅に出るのであった。

今回の笑いどころ
・喫茶店へ向かおうとするがおいちゃんたちの目が気になって行きにくい寅。反対方向へ向かうが花売りのおばちゃんの大きな籠に隠れて喫茶店へ。もちろん隠れることはできずバレバレ。この花売りが来るタイミングが絶妙。テンポ良い笑いは流石。
・おいちゃんが寅が話した受け売り話を「どうせどこかのいい加減な男にでも吹き込まれたのだろう」、と張本人である志村に話すシーン。おいちゃんギャグだけで笑えるシーンが何度も出てくる。公開の3ヵ月後に亡くなる森川信の名シーンだ。

今回の泣き所
・酔った寅次郎がさくらに歌を歌わせるが、選んだ歌は「かあさんの歌」。その後の博の母親の危篤を暗示させるわけであるが、さすがにやり過ぎた寅次郎がこの歌で我に返り、反省して出て行く。止めるに止めないさくら。


寅さんトリビア
・博は男ばかりの三兄弟の末っ子。次男役の穂積隆信とはその12年後TVドラマの「積木くずし」で前田吟が穂積隆信の役を演じるという因縁?がある。
・タコ社長の工場の工員に柴俊夫・・らしき人が。寅にはたかれて工場を辞めるという人。本人かどうかは未確認。
・マドンナの喫茶店は2作目あたりでは工事中になっている。実はこの店、この人は実在の人をモデルにしている。現在はうなぎ屋かなんかに変わっているらしいが、当時は大人気だったようである。
・正月に公開されたシリーズ初のロードショーで観客は100万人を突破した。
・シリーズ全部に出演してる・・と思ってた佐藤蛾次郎さん。実はクランクイン直前に自動車事故で入院、この作品だけには出てません。

posted by 映画のせかいマスター at 07:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 男はつらいよ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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