1975年12月 日本 100分
葛飾立志篇のタイトル通り舞台は柴又、考古学を長年探求するマドンナ(樫山文枝)に感化されて学問をする!という志を立てる寅次郎。葛飾が舞台だと話があちこちに飛ばない分だけ安定してる。
寅さんが足長おじさんとなって毎年お金を送り続けていた(と言ってもいつもの500円)少女、桜田淳子がとらやを訪ねてきた。寅に間違いがあったんじゃないかと疑うお約束の展開(笑)売れ始めた頃のゲスト出演だと思うが前半のちょっとしたエピソード部分を引っ張っていく。
♪ようこそここへクッククック、と歌いながらとらやの前を自転車で通り過ぎる轟巡査役は米倉斉加年。この人、近年は絵画師として活躍しているが、男はつらいよシリーズにもいろんな役で出ている。今回の巡査役もバッチリはまっていて、もしや第10作のようにマドンナに絡んでくるのかと思わせる展開。
そこへ割って入ったのが、考古学の教授役の小林桂樹。これまでも志村喬、宮口精二・・と学識ある役柄の人はたくさん登場してきたが、今回は一味違う。2階に下宿している御前様の親戚のマドンナに会うため、とらやを訪ねた教授は寅に「温かいものでも食べさせてやれ」と窘められてしまう風貌。四六時中タバコをふかし、研究室は灰皿で満杯。研究の他にも雑学にも詳しく、寅との会話もまったく引けを取らない。考古学チームと朝日印刷チームの草野球後の宴会でも「ベートーベンのナンバーより」と言いつつ歌いだしたのはソーラン節。本当にこんな人いそうだし、いたら面白いだろうなーと思う良いキャラクターだ。
で、マドンナに感化された寅。今まで何人も学問を志す人に出会っていたが、いつもの調子で交わしてきた?わけだけど、相手がマドンナとあらばそうもいかず、学問を志すことに!と言ってもやってるのはメガネを買ったり、2階に家庭教師で習いに行ったり、とたいしたことはしていないんだけど(笑)結局は教授にプロポーズされたマドンナが結婚で悩んでいるのを結婚するものだと思い込んで旅に出るのであった。・・・が、そこで待っていたのは・・・?オチも効いてます。
2005年11月14日
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