2005年11月30日

羅生門 #472

1950年 日本 87分

黒澤明監督作品。原作は芥川龍之介の名作。題と舞台は「羅生門」だが、中身は「藪の中」からとっていて、2つの物語を組み合わせたような設定になっている。もう著作権は消失しているので原文はすべて青空文庫で読める。

話はざっと以下の通り。

羅生門である出来事を振り返って思い悩む男達(志村喬と千秋実)、そこに通りかかった下人(上田吉二郎)が面白半分で話を聞きだす。男たちが語りだしたのは、ある殺人事件の顛末だった。

盗賊の多襄丸(三船敏郎)が昼寝をしているところに夫婦(森雅之と京マチ子)が通りかかった。女に目をつけた多襄丸が夫をだまし縛り上げて妻を強姦、その後、夫の死体が発見される。しかしこの事件、3人(夫の証言までもが巫女を通して語られる)の証言が全く異なっていた。

・・・

詳しくは原作を参照して欲しいが、この短い物語を映像化するに当たり、両原作のイメージを損なわずに新たなエピソードを加えたところが、黒澤明監督の凄いところだ。羅生門は本当に屋根の上には死体が転がってそうな雰囲気で、なるほどよく映像化したものだと感心。ラストは黒澤オリジナルであるが、羅生門をバックにわかったようなわからないような微妙な流れが見終わった後の複雑な気持ちを増強させる。「羅生門」は高校の時教科書で読んだが、多分その意味を汲み取れたのはごく一部の学生ではなかろうか。と、その中に入り損ねた私はつくづく思うのであった。難しい話ではないのだが、何を感じたと書けばよいのか正直レビューも書きにくい。

公開当時は酷評されたことが多かったようだが、以下の章を受賞、世界中に認められている。

# 1951年度ヴェネチア国際映画祭金獅子賞
# 1951年度イタリア記者全国連盟最優秀外国映画賞
# 1951年度アカデミー賞最優秀外国語映画賞

posted by 映画のせかいマスター at 07:35| Comment(0) | TrackBack(1) | ら行映画(17)+ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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