2005年11月14日

男はつらいよ 葛飾立志篇(男はつらいよ16)#465

1975年12月 日本 100分

葛飾立志篇のタイトル通り舞台は柴又、考古学を長年探求するマドンナ(樫山文枝)に感化されて学問をする!という志を立てる寅次郎。葛飾が舞台だと話があちこちに飛ばない分だけ安定してる。

寅さんが足長おじさんとなって毎年お金を送り続けていた(と言ってもいつもの500円)少女、桜田淳子がとらやを訪ねてきた。寅に間違いがあったんじゃないかと疑うお約束の展開(笑)売れ始めた頃のゲスト出演だと思うが前半のちょっとしたエピソード部分を引っ張っていく。

♪ようこそここへクッククック、と歌いながらとらやの前を自転車で通り過ぎる轟巡査役は米倉斉加年。この人、近年は絵画師として活躍しているが、男はつらいよシリーズにもいろんな役で出ている。今回の巡査役もバッチリはまっていて、もしや第10作のようにマドンナに絡んでくるのかと思わせる展開。

そこへ割って入ったのが、考古学の教授役の小林桂樹。これまでも志村喬、宮口精二・・と学識ある役柄の人はたくさん登場してきたが、今回は一味違う。2階に下宿している御前様の親戚のマドンナに会うため、とらやを訪ねた教授は寅に「温かいものでも食べさせてやれ」と窘められてしまう風貌。四六時中タバコをふかし、研究室は灰皿で満杯。研究の他にも雑学にも詳しく、寅との会話もまったく引けを取らない。考古学チームと朝日印刷チームの草野球後の宴会でも「ベートーベンのナンバーより」と言いつつ歌いだしたのはソーラン節。本当にこんな人いそうだし、いたら面白いだろうなーと思う良いキャラクターだ。

で、マドンナに感化された寅。今まで何人も学問を志す人に出会っていたが、いつもの調子で交わしてきた?わけだけど、相手がマドンナとあらばそうもいかず、学問を志すことに!と言ってもやってるのはメガネを買ったり、2階に家庭教師で習いに行ったり、とたいしたことはしていないんだけど(笑)結局は教授にプロポーズされたマドンナが結婚で悩んでいるのを結婚するものだと思い込んで旅に出るのであった。・・・が、そこで待っていたのは・・・?オチも効いてます。

posted by 映画のせかいマスター at 20:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 男はつらいよ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年11月12日

二代目おいちゃん松村達雄(男はつらいよ雑談3)

9作目から13作目までのたった5作品だったが、森川信さんに続き2代目おいちゃんを務めたのが松村達雄さん。その前にも町医者役でシリーズに出演しているのだが、森川さん急逝に伴い登場。おいちゃんのときはメガネをしていないので別人のようだ。

タコ社長とは二人でよく飲みに行っているようで、タコがフラれた話とかこっそりばらしてる。名シーンは13作目、宮口精二が吉永小百合へ言葉を贈った後、「酒をもってこい」と場を展開させるところ。涙ながらに聞いている後ろ姿からのその展開は、あの場を収めるのに説得力抜群だった。

その後も別の役柄でシリーズに神出鬼没の不思議な存在。日本映画界にも欠かせない存在だったが、2005年6月90歳で死去。残念!あのおいちゃんの90歳の姿もまだ見たかった。
posted by 映画のせかいマスター at 07:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 男はつらいよ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年11月08日

男はつらいよ 寅次郎相合い傘(男はつらいよ15)#464

1975年8月 日本 90分

海賊船に乗ったさくら達を奴隷商から助ける寅次郎。という夢からスタート。これまでのシリーズ本編に出演した上條恒彦、米倉斉加年が海賊役で出てる。

いつもなら夢から覚めた寅の帰宅で始まるが、今回はなかなか帰ってこない。代わりにエリザベス女王のTVに釘付けのとらやにやってきたのは11作目のマドンナ・リリー。前回すし屋の女房になってたが、離婚しまた歌いながら旅をしているようだ。一方寅次郎、ひょんなことから会社の重役・兵頭(船越英二)と旅をしている。函館の屋台ラーメンで2人は再会。長万部、小樽と旅をする。

今回はちょっとシリーズの中でも異色作。と言っても山田洋次監督得意のロードムービー風のつくりである。もっとも年がら年中旅をしている寅さんなので毎回ロードムービーなわけなんだけど、「男はつらいよ」では故郷の柴又が一つのテーマであるためじっくり旅を追う事は少なかった。そこへ、女版寅さんのリリーを絡ませることでうまく場面の展開に成功している。さらに船越英二がうまく場を中和してる。初恋の人を訪ねていくシーン、何気に哀愁が漂っていたが、去っていく船越をみて、まあそんなもんだよなあと妙に納得したりする。

最後は喧嘩別れする2人だが、柴又に帰ってきた寅次郎は反省。そこへリリーが現れ・・・。柴又では腕を組んで買い物に行ったりかなり良い雰囲気の二人。ついには寅さんの嫁さんになっても良いとまで言うリリーだったが・・。

15作の中で私的にはぴか一の作品。タイトルでもある相合傘のシーンは印象深い。「濡れるよ」「濡れたっていいじゃないか」「風邪ひくよ」「風邪ひいたっていいじゃないか」とらやの番傘がくるりと回る。

本音でぶつかり合うリリーと寅。言い過ぎて喧嘩になってしまうところは小学生みたい。どう見てもお似合いの二人だったんだが・・。

寅さんトリビア
・船越英二の娘役で前年「愛と誠」でデビューし、役名がそのまま芸名になった早乙女愛が出演。ほとんど台詞もなく、子役みたいな感じ。

posted by 映画のせかいマスター at 07:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 男はつらいよ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年11月07日

男はつらいよ 寅次郎子守唄(男はつらいよ14)#463

1974年12月 日本 104分

子宝を授かろうとお百度を踏む夫婦(博とさくら)に、神様(寅)が赤ちゃんと金銀財宝を授けるという今回の話を暗示する夢でスタート。柴又では博が工場の機械に腕を挟んで病院へ。おばちゃんは帝釈天でお百度を踏むが、怪我はたいしたことなく、一同ホッと一息。そこへ寅帰宅。自分の葬儀の貯金をしていると話す。一度見直す皆だったが、寅の葬儀話(江戸川に屋形船を出して花火で云々・・)にあきれ、喧嘩になって飛び出していく。帰ってきたその日に出て行くのは珍しい。

所変わって佐賀唐津。唐津くんちで行商する寅次郎は呼子で宿を取る。隣に呼子ストリップの踊り子に逃げられた男(月亭八方)と赤子が。酒を飲んで自分の生い立ちを話す寅、朝目覚めると赤子と置手紙が・・・。この赤子、仕方なく柴又に連れて帰ったものだから大騒動に・・。

今回のマドンナは十朱幸代。博の通う病院の看護婦役。明るく元気でとらやでの夕食の話題もグイグイ引っ張っていく。寅さんにギャグで返す。今でも綺麗だけどこの時は本当に綺麗です。なんとか寅を病院に行かせないようにするとらやの面々だったが、2人は出会い、寅は一目ぼれ。

さて、2人の仲は・・という所で、上條恒彦登場!寅さんよりも無骨で貧しく口下手な存在。上條の部屋に上がりこんだ寅が楽譜の裏から十朱の写真を見つけ、恋の指南役に回る。そのまま酒を飲んで盛り上がった二人は十朱のいるとらやへ。そこでズバっと告白しちゃう。2人の恋を見届けた寅は正月の行商に旅立っていく。



寅さんトリビア
・踊り子役で春川ますみさん2度目の登場。船着場で寅と会話する姿はなんかセクシー。今回の裏マドンナとも言える存在で、ラストシーンでも登場。九州の肝の据わった女性を素晴らしい存在感で演じています。
・とらやでの会話から寅さんの年齢が判明。この作品時40歳。確か1作目か2作目で30何歳かだったような気がする。ちなみに渥美清のこのときの年齢は46歳。寅さんは渥美清よりも6歳年下になる。
・今回から3代目おいちゃんで下絛正巳が登場。前の2人に比べるとややおとなしい感じがするけれど、なんとここから最終作までおいちゃん役を続けることになる。新しいおいちゃんのイメージを作ったことに拍手。

今回の笑いどころ
・江戸川合唱団に付いてきた寅と源。当然おとなしく見ていられるはずがなく、預ったさくらのバッグから口紅を取り出して源の顔にラクガキ・・。この2人のからみは安定してますね。
・上條恒彦のことを指して、おばちゃんが慌てて「ヒゲ中顔だらけの人」。おばちゃんはほとんど素に見えるけど、演技うますぎ。

posted by 映画のせかいマスター at 20:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 男はつらいよ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年10月09日

男はつらいよ 寅次郎恋やつれ(男はつらいよ13) #453

1974年8月 日本 104分

オープニングの夢はおいちゃんとおばちゃんの墓。よくおいちゃんは夢の中で死んでる。

今回の寅さんは一味違う。とらやに戻って結婚話を切り出す。さくらと社長と3人で相手(高田敏江)に挨拶に向かうが、丁度蒸発していた旦那が戻る報せを聞く。社長と飲み明かした明くる日、置手紙を置いて旅に出る。

旅先の津和野で偶然会ったのは、第9作のマドンナ歌子(吉永小百合)陶芸家と結婚し幸せだったと思っていた彼女、なんと旦那が病死し、姑らとつらい生活を送っていた。歌子の身を心配した寅はすっかりやつれて柴又に帰る。

またいつもの喧嘩が始まり、旅に出ようとしていたところに歌子がやってきて、とらやの2階に下宿することに。寅は世話を焼いて、歌子の父(宮口精二)のところにまで行ってしまう。お偉い父親と直談判するのは8作目の志村喬に続いてのシーンだが、名優を相手にいつもの調子で立ち向かう渥美清の姿はいつまでも記憶に残る顔合わせです。

さて、別れも必ずやって来る。ずっと歌子に2階にいて欲しい寅だったが、自立を目指して歌子は大島で障害者支援へ旅立っていく。遠くで打ち上げられる花火を見ながら笑顔で見送るしかない寅次郎であった。

今回の泣き所
・宮口精二演じる父親が、とらやで吉永小百合に語るシーン。タバコをすいながらゆっくりと話す。特に感激する台詞ではないのだが、どんな感動的な台詞よりも重みがあって思いやりを感じさせる。当時は(今も?)こういう父親が多かったのだろう。

・とらやで幸せについて語り合うシーン。お金があれば幸せなのか?いつもおばちゃんは庶民的な考えで率直に意見を言い、博はちょっと違った視点から疑問を投げかける。寅やタコ社長がもみくちゃにして議論は終わるので、結論は多分わざと出さないようにしているんだと思うけど、笑える中になにかを考えさせるシーン。今回は手紙の中で歌子がそこを振り返り、現在の自分とフラッシュバックさせている。



posted by 映画のせかいマスター at 07:05| Comment(0) | TrackBack(1) | 男はつらいよ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年10月01日

男はつらいよ 私の寅さん(男はつらいよ12)#452

1973年12月 日本 107分

夢は極悪商人にいじめられるさくらを颯爽と駆けつけた寅が助けるお決まりパターン。タコ社長が夢の中にも登場。今度は汽車じゃなくて船の中で目が覚める。

とらやではさくら達がおいちゃんらを九州旅行をプレゼント。おみくじが凶だったとさえないおいちゃんは、こういうときに限って帰ってくるんだよ、と嘆く。そして寅帰宅。旅行の事を言い出せないが出発の日はやってくる。仲間はずれにされたと予想通り落胆する寅。いつもならここで喧嘩して旅に出るところだが、今回は旅に出るのはとらやの面々、寅は留守番する破目に。

一行が向かうのは九州。別府の高崎山なんて、当時は新婚旅行のメッカ。登り階段の脇には出店が並んでる。今では考えられない盛況ぶり!阿蘇や雲仙をまわり楽しい旅行が続くが、夜の電話が悩みの種。留守番の寅は置いていかれて淋しさ満開!電話で激突し後半は気になって旅行に集中できなくなってしまう。

さて柴又。江戸川でさくらを付けて来た怪しい男は寅の幼馴染のデベソ(前田武彦)売れないTVディレクターで寅のような毎日を送っている。再会し酌を酌み交わす二人は画家の妹の家へ。そこで昔話に花を添えているうちにうっかり絵を汚してしまう。帰ってきた今回のマドンナりつ子(岸恵子)とひと騒動。怒りに震える寅であったが、後日花を持って誤りに来たりつ子につい心を許してしまう。

恋のライバルと勘違いした画商(津川雅彦)とのエピソードを交えながら、寅の想いは加熱していくが、今回は絵に真剣に取り組んでいるマドンナに真っ向から振られてしまうのであった。

今回の笑いどころ
・高崎山のはぐれ猿を見て、一行が寅を思い出す。カメラ一転、とらやの裏庭で寅。社長らの視点でまるで猿のように映してる。
・岸恵子が寅さんは私のパトロンね。なんて言ってる。時代の流行なのかもしれないが、流石に「さよなら〜私のパトロン!」なんて大声で挨拶しないと思うが・・・。

寅さんトリビア
・デベソと中学校の思い出を語り合うシーン。音楽の先生がキリギリスみたいで、「柱の傷はキリギリス〜」と歌ってからかう。寅の幼少の知人は10作目のお千代さんに続き2人目だけど、小さい頃から変わってないという「寅次郎」の姿を表すエピソードである。

posted by 映画のせかいマスター at 08:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 男はつらいよ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年09月28日

男はつらいよ 寅次郎忘れな草(男はつらいよ11) #449

1973年8月 日本 99分

マドンナとして最多の4作品に登場することになる浅丘ルリ子のリリィーがついに登場。女版寅さんとも言えるそのキャラクターはもしシリーズが続いていたら寅さんはリリィーと結ばれたんじゃないかと思えるほどである。

オープニングの夢は大江戸ふう。父親の法事中にふらりと帰ってきた寅。「ついにおいちゃんが・・」とやっぱりまったく覚えていない様子。その後も真面目にやらない寅にとらやの面々が叱る。

満男は幼稚園に通い始めている。さくらは満男にピアノを習わせたいが、買うお金も置く場所もない。ピアノくらい買ってやれよ、と博を責める寅は真面目な顔をしておもちゃのピアノを買ってくる。ここでまた禁句ネタ。寅の前で本物のピアノが・・ってのは言っちゃだめだよ、と打ち合わせるおいちゃんたちだったが、ふらりと現れたタコ社長がぶち壊してしまう。さすがタコ(笑)

去っていく寅に博は「僕もどこか遠いところ、北海道にでも行きたいなあ」とつぶやく。で、場面変わって北海道。この辺のつなぎはうまいですね。酪農に住み込みで働くことを決意した寅は、初日こそ頑張るものの2日目にはダウン、床に伏してしまう。さくら、シリーズ2度目のお迎えに。

んで、柴又に帰った寅が喧嘩して出て行こうとしたところに、北海道でバッタリ会ったリリーがとらやの前に!というお約束の展開。さすがに家の前で会うなんて偶然があるわけないじゃん、なんて思ってはいけません(笑)根無し草のリリーがとらやの面々と楽しく過ごすシーンはシリーズの中でも温か味を感じる良いシーン。庭の忘れな草の名前を聞いたり、恋をしたいと言ってみたり、初恋は寅さんとつぶやいてどぎまぎさせたり。2階で綺麗な月を見ながら2人が喋っているのを下でみんなが心配そうに聞いていたり・・。

結局母親と喧嘩し安キャバレーで客ともめたリリーは酔ってとらやに夜中に来て寅とも喧嘩別れしていく。寅さん以上に寅さんっぽいリリー、どうなることやら、と思ったらしっかりすし屋のマスター(毒蝮三太夫)を捕まえておかみさんに。本当は夫よりも寅さんが好きだったと笑顔で話し、爆笑する客。ようやく幸せを掴んだ・・ように見えた。


今回の泣き所
・御馴染み上野駅地下の食堂街、さくらは旅に出る寅次郎に荷物を届けに来る。満男におやつでも、と差し出そうとした寅の財布には500円(寅の財布にはいつも500円 笑)しか入っていない。黙って自分の懐から兄の財布へお札を入れる。

今回の笑いどころ
・お世話になった北海道の酪農一家(織本順吉)に手紙を書く寅。江戸川で源公に投函するよう命じるが、もらった瞬間川に落としてしまう。何事もなかったかのようにへらへら笑って去っていく源。台詞はないけど要所を押さえていますね。

寅さんトリビア
・リリーの芸名は「リリー松岡」・・売れなさそう^^。虫歯が痛いよという母親役は日本映画の名脇役さん。
・工場の若者の恋愛エピソードが何気に挿入。寅さんに「恋人」と言われただけで泣きながら逃げていく純情なカップル、男の方は江戸家小猫。若いです。水谷豊かと思った。
posted by 映画のせかいマスター at 06:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 男はつらいよ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年09月27日

男はつらいよ 寅次郎夢枕(男はつらいよ10)#448

1972年12月 日本 95分

オープニングの夢は鹿鳴館風。さくらと博の間に入った親分をピストルで撃ち警官に連れられ去っていく寅。そして蒸気機関車が・・。やっぱり駅で寝てた寅、木に生っていた柿を食べるが渋柿。

柴又に帰るが帝釈天では「トラのバカ」というラクガキ、「寅さんみたいになるよ」と説教する母親を見て傷心の寅。とらやであっけなくおいちゃんに見つかる。朝日印刷で俺の悪口を言ってるだろうと博に迫る。報告に来たタコ社長と寅を誉める作戦が功を奏し、殊勝な気持ちになる寅。聞こえてくる鐘の音に心を研ぎ澄まし、源が心を込めて打ってるんだろうねえ、とつぶやく。

心を入れ替えた寅に、あとはお嫁さんだけだと、縁談を探すおいちゃん達だったが、寅の名前を出した途端断られる。流石に居づらくなった寅は旅に出る。

旅先の茶屋の店先でかつての友人の訃報を聞かされる。ちなみに店主は田中絹代。豪華なゲスト出演だ。このシーン、やや話から浮いているような気がしなくもないが。

そして宿でまたまた登と再会。前回とは逆に今度は寅の方が置手紙を置いて先に出て行く。
とらやでは、御前様の甥の東大の助教授(米倉斎加年)が一時的に下宿している。友人の墓参りに柴又に戻ってきた寅次郎は、いけすかない助教授を苦々しく思い出て行こうとしたところ、幼馴染のお千代(今回のマドンナ・八千草薫)とバッタリ会って居残ることに。

いつものように寅が恋に落ちそうなパターンになりそうなところを今回は助教授が破る。お千代さんに一目ぼれしてしまうのである。助教授の様子がおかしいのを見抜いた寅はさんざんもて遊ぶが、最後は間に入って仲を取り持とうとする。

結末はシリーズ初の快挙!寅はお千代に助教授との話を持ちかけるが、お千代の意中の相手はなんと寅次郎!寅は思わず腰を抜かしてしまう。あと一押しができずに話は流れ、助教授はアメリカへ寅はまた行商へと旅立っていくのであった。


今回の笑いどころ
・「源が心を込めて打ってるんだろうねえ」とつぶやく場面が切り替わり、鐘を付いている源吉へ。鐘に貼ってある寅の似顔絵めがけて怒涛の突き!ベタなギャグが似合う佐藤蛾次郎さんです。
・禁句ネタ。離婚して子どもと離れ離れのお千代さんを励ます夕食で「子ども、せがれ、息子」は言ってはならないと皆で誓う。が、新聞やTVニュースでは子どもの話ばかり、歌でも歌おうと歌った歌が、「七つの子」シリーズ中何度か出てくる禁句ネタ、オチはわかっているものの、やっぱりおかしい。

posted by 映画のせかいマスター at 06:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 男はつらいよ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年09月26日

男はつらいよ 柴又慕情(男はつらいよ9)#447

1972年 日本 108分

この作品以降定番となる夢オープニング。貧乏夫婦の博とさくらを助ける通りすがりの木枯らし紋次郎(寅次郎)、まさか兄さんでは??というところで目覚める。寅さんはよく駅のホームで寝てて汽車の時間で起こされる。

とらやでは、2代目おいちゃん松村達雄が、2階の部屋を貸間にしてる。博のアパートが家賃値上げでタコ社長が貸してくれた土地に一戸建てを計画してるので、その資金の足しにしようというわけだ。当時、貸間賄い付きというのは多かったようで、これまでのシリーズでもマドンナが二人世話になっている。短期の寝泊りを含めると全48作中1/3の割合となる16人が二階の部屋を利用したことになるそうだ。で、自分の部屋がなくなったと憤慨する男が約一名。早速喧嘩になって飛び出していく。

不動産を回る寅だったが、なかなか良い部屋が見つからない。この際どうでもいいやと案内された車中で高いびき。お世話になります、と着いた先は・・・そう、とらやである。家に帰っただけなのに不動産の親父には手数料を請求され、またまた大喧嘩。旅に出る。

向かった先は北陸金沢。宿で偶然再会した登と杯を交わし、隣に泊まっていたOLグループと福井で合流。故郷には30年も帰っていないとホラを吹きつつ仲良くなっていく。その中の一人、歌子(吉永小百合)は、小説家の父親に結婚を反対され悩んでいた。

そして葛飾柴又。旅から帰った寅は江戸川のほとりでOLとばったり。故郷の家を探してあげるととらやに案内される。OLらに歌子の話を聞き、思いを募らせる。そして歌子がやってきて・・。

恋の行方は定番どおり、博夫婦に励まされ、愛知の陶芸家の元に嫁ぐ。ハッピーエンドであるのだが、実は第13作目で歌子のその後が判明する。父親とはやっぱりうまくいってないようで・・・。

さて、歌子の父親は宮口精二。「七人の侍」の剣豪だ。無口で無愛想な父、江戸川沿いを帰る後ろ姿、渋い!

今回の笑いどころ
・いつ歌子がとらやに来てもいいように、行商に出ずに帝釈天で掃除を手伝う寅次郎。真面目にやってると電話する御前様のうしろで源と遊んでいる姿が・・。画面の隅っこまで見逃せないカメラは秀逸。今回は源公、登、と寅ファミリーが揃い踏みでした。

posted by 映画のせかいマスター at 06:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 男はつらいよ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年09月14日

寅さんと効果音(男はつらいよ雑談2)

「男はつらいよ」シリーズは脚本のうまさやカメラワークもさることながら、場面転換などに使われる効果音も抜群である。
中でも三大効果音は「蒸気機関車」「三味線」「寺の鐘の音」だ。

将来蒸気機関車がなくなって懐かしい映像になるだろうということを予感してたからかどうかは定かではないが、「蒸気機関車」は本当に良く出てくる。「ボーーッ」という音に起こされたり、そのままオープニングテーマに移行したり、エンディングを迎えたり。映像の中にも何気なく機関車がシュッポシュッポ煙を炊きながら横切っていくシーンも多い。

次に「三味線」。これは喜劇風に笑いを狙ったシーンで必ずかかる訳だが、「ペペンペン」というお約束が聞こえてきたら、さあ笑おう、という準備をしてしまうので、条件反射となってしまってる。尺八の音色と合わせて聞こえてくるとその効果は倍増する(笑)

そして帝釈天の鐘の音。8作目では寅次郎の心にマドンナが染みてくる時にボーンという音を被せていたが、これもまたお寺の近くという地の利を生かした効果音である。鐘を突いているのは源吉でしょうか。
posted by 映画のせかいマスター at 07:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 男はつらいよ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年09月13日

初代おいちゃん森川信(男はつらいよ雑談1)

残念ながら8作目の「男はつらいよ 寅次郎恋歌」の公開のあと、1972/03/26に亡くなってしまう森川信。8作目でも元気な姿を見せていただけあって、淋しい限りである。

結構毒舌で、おばちゃん(三崎千恵子)に失礼な発言をバンバンしたり、寅さんとも時には殴り合い、時には言い合い、一歩も引かずにがっぷり四つで向かい合う姿はおいちゃんのその後のイメージを決定付けた。

「馬鹿だねえ〜、どうして馬鹿なんだろうねぇ〜」という台詞は森川信さんのアドリブだったらしい。他にも「俺はしらねーよ」なんていう決め台詞も。おいちゃんだけで笑わせるシーンも数々あった。

第8作では、老い先短い老夫婦、とか不幸な人生「だった」とか寅次郎に言われているが、まさか演じてる本人が亡くなるとは思いも寄らなかっただろう。残念!初代おいちゃんが見れるのは全48作の1/6にあたる8作のみ。貴重です。
posted by 映画のせかいマスター at 07:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 男はつらいよ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年09月12日

男はつらいよ 寅次郎恋歌(男はつらいよ8)#437

1971年 日本 114分

9月の長雨にたたられて、客足の遠のいた旅芸人一座(この後の作品でも度々出てくることになる坂東鶴八郎一座)を訪れた寅次郎、宿まで送ってもらったお礼に、お金を渡す。が、間違えて5千円もあげてしまう。定番のお札間違えギャグからスタート。

そしてとらや。これまた定番の寅次郎のお迎えシーンから。とらやの前をちょろちょろ、なかなか入ってこない寅、や、絶対ヘンなタイミングで現れるタコ社長など、よくもまあ毎回違うパターンを思いつくものだなと思うくらい趣向を凝らしている。

で、今回もまた初っ端から大喧嘩、旅立っていく。そこへ博の母親の危篤の電報が。新幹線で実家の岡山県備中高梁に向かう博とさくらだったが時既に遅く、葬式となる。訪問客の中に普段着で現れる寅次郎が。いつもの調子で墓前で笑わせ、兄弟の顰蹙を買ってしまう。父親に不満を持つ続け母親が不憫でならない博はその夜兄弟と言い合いになる。私は男兄弟に憧れていたので、涙を流しながら言い合える、このシーンはうらやましく感じる。そして一人残った父親(第1作目同様志村喬)と2,3日過ごすことになる寅次郎に、志村喬が話を聞かせるシーンは名シーンの一つ。ジーンと来ます、この人やっぱり凄い!「人間は絶対に一人じゃ生きていけない。人間は人間の運命に逆らっちゃいかん。そこに早く気がつかないと不幸な一生を送ることになる。」という寅にも自分にも言い聞かせているような台詞、重みがあります。

柴又に帰った寅が、この話を受け売りで話すがおいちゃんたちが茶化すというこれまた定番シーンを経て、今回のマドンナである六波羅貴子(池内淳子)の登場だ。帝釈天の前で喫茶店を開業した彼女は小学三年生の子どもを持つ未亡人。寅に会わせまいとするおいちゃん達だが、狭い町内で出会わない訳がなく、目出度く?出会ってしまう。

早速子どもと仲良くなり、急接近する。貴子には1−6作のマドンナのような男性はいなかったが、店は借金を抱えており、自分の力では解決できないと諦めた寅は、風の強い夜再び旅に出るのであった。

今回の笑いどころ
・喫茶店へ向かおうとするがおいちゃんたちの目が気になって行きにくい寅。反対方向へ向かうが花売りのおばちゃんの大きな籠に隠れて喫茶店へ。もちろん隠れることはできずバレバレ。この花売りが来るタイミングが絶妙。テンポ良い笑いは流石。
・おいちゃんが寅が話した受け売り話を「どうせどこかのいい加減な男にでも吹き込まれたのだろう」、と張本人である志村に話すシーン。おいちゃんギャグだけで笑えるシーンが何度も出てくる。公開の3ヵ月後に亡くなる森川信の名シーンだ。

今回の泣き所
・酔った寅次郎がさくらに歌を歌わせるが、選んだ歌は「かあさんの歌」。その後の博の母親の危篤を暗示させるわけであるが、さすがにやり過ぎた寅次郎がこの歌で我に返り、反省して出て行く。止めるに止めないさくら。


寅さんトリビア
・博は男ばかりの三兄弟の末っ子。次男役の穂積隆信とはその12年後TVドラマの「積木くずし」で前田吟が穂積隆信の役を演じるという因縁?がある。
・タコ社長の工場の工員に柴俊夫・・らしき人が。寅にはたかれて工場を辞めるという人。本人かどうかは未確認。
・マドンナの喫茶店は2作目あたりでは工事中になっている。実はこの店、この人は実在の人をモデルにしている。現在はうなぎ屋かなんかに変わっているらしいが、当時は大人気だったようである。
・正月に公開されたシリーズ初のロードショーで観客は100万人を突破した。
・シリーズ全部に出演してる・・と思ってた佐藤蛾次郎さん。実はクランクイン直前に自動車事故で入院、この作品だけには出てません。

posted by 映画のせかいマスター at 07:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 男はつらいよ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年09月11日

男はつらいよ 奮闘篇(男はつらいよ7)#436

1971年 日本 92分

オープニングは集団就職列車に立ち会う寅から始まる。ピンと来ないが、1974年頃まで「集団就職列車」というものがあったらしい。

寅が帰ってくる前のとらや、今度こそ温かく受け入れてあげようとおいちゃんが寅の役でリハーサル。この声真似がそっくりで大笑い。ちょっと悪ノリしてた所で本人登場!ここで一もめ。母親お菊とのエピソードでまた一もめ。そして旅に出る。

所変わって静岡沼津。たまたま入ったラーメン屋で知的障害を持つ少女、今回のマドンナ大田花子(榊原るみ)に出会う。店主(柳家小さん、これがまた良い感じ)が少女の心配をするのを聞きつけて(あとで店主と同じ台詞をとらやで寅がもっともらしく論説するので注意)、あとを追う。少女は交番で犬塚弘に尋問中。間に入った寅は駅でとらやの住所を渡す。ホームへ向かう少女を心配そうに改札から見つめる寅次郎。カメラワークも抜群!

そしてとらやを訪問する花子、寅は変装して(メガネにちょび髭!笑)帰ってくる。しばらく花子を預ることに。どこかで働かせようとするが、寅は花子が気になって仕方がない。工場ではタコ社長、寺では御前様にやきもちを妬いて(寺にラクガキされた「スケベ」の文字を見て寅次郎が引き返すシーン、芸が細かい!)、結局とらやで働かせる。花子に話しかけるお客をつまみ出したりおいちゃんにつっかかったり落ち着かない寅に、花子は河原でとらちゃんの嫁っこになろうかな、とつぶやく。舞い上がった寅は一生面倒を見てやると宣言。

数日後。故郷に帰した方がいいんじゃないかと心配したおいちゃん達が役場に出していた問い合わせを聞き、先生(田中邦衛)がとらやにやってくる。熱血漢の先生はその日のうちに花子を連れて帰ったため、寅次郎が帰宅した時にはもぬけの殻に・・。ショックを受ける寅はまたまた旅に出るのであった・・・。

話にはまだ続きがあって、花子の元を尋ねた寅が弱気の時に出した手紙を見てさくらは津軽へ向かう。その後のシリーズではなんどかあるが、さくらシリーズ初のロケ敢行!だ。たまたま乗っていたバスに寅が乗り込み、顔を合わせてなんとかハッピーエンドなんだけど、なんとなくこれまでのシリーズとは毛色が違うものの、充実の一作だった。

寅さんトリビア
・さくらと博のアパート、さくらは内職のため月賦でミシンを買っている。さくらはあくまでも生活に苦しむ庶民として描かれている。
・初代マドンナの光本幸子、寅の母親のミヤコ蝶々が再出演し、これまでのシリーズを振り返る台詞も飛び出す。もしや集大成で終わり?と思うが、これはむしろ逆で、本格的にシリーズを意識してきたということの表れのようだ。


posted by 映画のせかいマスター at 18:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 男はつらいよ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年09月10日

男はつらいよ 純情篇(男はつらいよ6)#435

1971年 日本 90分

列車の中で向かいの赤ちゃんにベロベロバーしてる寅さんから始まる。赤ちゃんは満男のイメージと、その後会う母子(若き日のマルサの女の宮本信子。かわいー)を連想させている。

TV番組「ふるさとの川・江戸川編」でとらやが紹介される。おいちゃんは江戸時代から続く6代目らしい。若者は団子なんて食べなくなったと嘆いてる。それを九州に向かう途中で白黒TVで見る寅次郎。故郷への思いを募らせる。出会った赤ちゃん連れの女性からは宿泊費用を相談され、宿ではお礼にと服を脱ぎ出す。駆け落ち同然で故郷を離れたが、夫とうまくいかず戻ってくる可愛そうな女性を諭し床に着く寅さん、渋いねー。一緒に長崎五島の実家を訪ねるのだが、父親の森繁久弥は毅然とした態度で夫のところに戻れ、と言う。この言葉に感銘を受けた寅次郎は、帰るところがあるからいけないんだ、もう故郷には戻らない、と決意を新たにするが、家族の顔が忘れられず最終フェリーに乗り込んでいく。このフルサトへの想いがラストシーンへと繋がってる。

そして葛飾柴又。2階の寅の部屋にはこれまた夫の元を離れたおばちゃんの遠縁の夕子(若尾文子)が間借りしていた。うちの親戚にも美人がいるんだよとタコ社長と話しているところ、対極の男が戻ってくる。男は2階で休もうとするが、どうも様子がおかしいことに気付き、険悪になって出て行こうとするが、その時、2階から降りてきた美女に胸をときめかせる・・といういつものパターン。

丁度その時、博は独立の計画を練っていた。話を聞いたタコ社長は焦って寅に相談。博も社長との間に寅さんが入るよう相談するがこれが裏目にでて、すっかり話をぶち壊してしまう。結局資金が足りず独立は断念して一件落着となるが、「成功してもせいぜいタコ止まり」という寅さんに笑ってしまった。

さて、マドンナの夕子さんは無事旦那が戻ってきてジ・エンドになるが、寅がいなくなったあとのとらやには幸せそうな家族が来訪。そう、復縁した宮本信子一家である。森繁久弥宛てには寅からの年賀状が届き、なんとかハッピーエンドというわけだ。

今回の笑いどころ
・河原で夕子さんと歩く寅。無造作に落ちてる靴を投げるが、草叢のカップルに直撃。こういう細かい芸が行き届いていますね。
・御前様にご飯で釣られて?寺で働く源吉。ラストはいつの間にか寅の巡業の旅に付いて来てる。相変わらず謎の男です。
・次期おいちゃん役の松村達雄さんがお医者さん役で出演。夕子さん目当てにとらやに往診するが、患者が寅だと知るとそっぽ向いて帰ってしまう。夕子さんが自分に思いを寄せる男(寅次郎)に弯曲的に断りを入れようとしたところ、寅が夕子さんに付きまとっていると勘違いしたのはこの医者。診療室に諦めるよう告げに行く。そこには咥えタバコでオカマの診療をする姿が。さすがにこんな医者いねーよ、と思うが、堂々とした「やぶ医者」像である。
今回の泣き所
・もちろん柴又駅での列車のお別れシーン。さくらに「故郷とは・・」と言いかけて、ドアが閉まる。故郷とは何なのか?答えは見ている人が探すしかない。

寅さんトリビア
タコ社長梅太郎の家を訪れるシーンで珍しくタコ社長の家族が。せまいアパートに奥さんと4人の子どもが登場!そのうちの一人、長女は十数年後に美保純となって登場するわけです。



posted by 映画のせかいマスター at 06:29| Comment(0) | TrackBack(1) | 男はつらいよ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年08月26日

男はつらいよ 望郷篇(男はつらいよ5)#421

1970年 日本 88分

寅さんの夢から始まるシリーズ第5作。おいちゃんのご臨終の夢を見た寅次郎が柴又に慌てて帰ってくる。電話で様子を聞く寅だったが、冗談でおいちゃんは虫の息だと告げるおばちゃん。本気にした寅は葬儀屋を呼び・・・これでまたひと騒動。3作ぶりの山田洋次監督はぶつかり合って始まる。生き死にをも笑いで包む流石の展開だ。

世話になった親分が病に倒れ、寅さんと登が小樽へ飛ぶ。現JR社員の息子を探しあて、父の病状を告げるが反応は思ったより悪く、寅さんが人生を考えるきっかけとなる。親分はその後死去、寅は登に説教し別れ、正業に就くと宣言する。浦安の豆腐屋に住み込みで就職した寅次郎、就職先の娘さん(長山藍子)に想いを寄せる。しかし彼女に決まった相手(井川比佐志)がいることを知り・・・。

TDLができる13年前の浦安の漁船が並ぶ風景や北海道ロケの映像がなんとなく懐かしく感じる。それにしても大阪万博で賑わう中、「家族」と同じようなキャストでこの映画まで作っていたとはー。

マドンナの長山藍子はTV版のさくら役、やっと映画版に「復活」しました。

posted by 映画のせかいマスター at 06:41| Comment(2) | TrackBack(1) | 男はつらいよ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年08月25日

新・男はつらいよ(男はつらいよ4)#420

1970年2月 日本 92分

小林俊一監督。シリーズ4作目。旅の途中「峠の茶屋」で(これがまたいい雰囲気!)お婆さんのいい話を聞き、心は晴れ晴れ、でも金欠の寅次郎、バスに乗り込みオープニング。テーマ曲は「どうせおいらは底なしバケツ」で始まる。

一方柴又。旅行帰りのタコ社長は名古屋競馬場で寅さんと会ったと告げる。どうやら偶然バッタリ!ワゴン・タイガー(車・寅)という老馬に全てを賭け、当たったようだ。その後も競馬を続けるという寅をどうせすっからかんだろう、と横目に帰路に着いたようだが、そこへ名古屋からタクシーで寅次郎が到着。その後も勝ち進んでなんと100万円。2作目の終わりに堅気の仕事に就いた登の旅行会社からおいちゃんとおばちゃんにハワイ旅行をプレゼントする。ところが社長がそのカネを持ち逃げ。盛大に見送られた3人は騙されたとも言えず夜中にこっそり帰ってくる。

ここが最初の笑いどころだ。夜中に電気もつけず、声のないTVを見て隠居生活の中、マヌケな泥棒(財津一郎)が侵入。捕らえて110番する(「博、110番って何番にかけるんだ?」って台詞に爆笑)が、家にいることがばれるため、逃がすことに。結局ドジって捕まった泥棒はとらやのことを話し、町の人たちにばれてしまう。この件で言い合いになった寅は旅に出る。

1ヶ月後、あっけなく帰ってきた寅は、二階の自分の部屋を貸し出されていることに憤慨するが、その借り手が美人の幼稚園の先生・春子(栗原小巻)とわかって態度一変。御前様の経営する幼稚園に入り浸ってお遊戯に参加する。とらやの二階は隣のタコ社長の工場から見えないように窓を封鎖して、工員の怒りを買うが、そこは何食う顔でロマンスを進めていく。・・・と、思っているのはいつものように寅次郎のみ、春子は恋人と復縁する。

ま、ここからはいつものパターンなんだけども、恋人を部屋に呼ぶ春子と何も知らずに土産を持って二階に上がる寅次郎。止めるに止められないとらやと工場の面々。時は過ぎて寝た振りしているおいちゃんたちに別れの挨拶をする寅、起きて喧々轟々するのを玄関先で聞いている寅。なんとなく切ないラストだが、最後は蒸気機関車の中でマヌケな泥棒の話をしてる寅さんの名口上で沸く乗客の姿で終わりホッとする。
そこら辺の人々に得意そうに話してる寅次郎の表情って、いつ見てもいいですねー。

マドンナの名前は冬子、夏子と来て春子でした。安易?

posted by 映画のせかいマスター at 06:06| Comment(0) | TrackBack(1) | 男はつらいよ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年08月24日

男はつらいよ フーテンの寅(男はつらいよ3)#419

1970年1月 日本 90分

シリーズ第3弾。半年の間に4本のシリーズを完成させるせいか、山田洋次監督は脚本のみ、森崎東監督の作品となっている。どちらかと言うと寅さんはきりっとしてて台詞も渋い感じがするが、その分ずっこけアクションで笑いを取ってる場面もある。

オープニングはどこかの旅館で結婚式の大騒ぎに巻き込まれて風邪で寝込む寅と女中(樹木希林)が話しこむシーンから。さくらの写真を妻だと紹介する。ここで蒸気機関車が通って歌に入るが、関係なさそうであとのエピソードにつながっている。

柴又に戻った寅を待っていたのは縁談話。タコ社長の計らいで現れたのは駒子(春川ますみ)。実は寅さんとは顔馴染みで、話を弾ませているうちに亭主との間に子を授かっていることがわかる。そのままとらやで寅が二人の縁結びをし結婚パーティーに。なかなかにくい演出だったのだが、とらやのツケでハイヤー(タクシーにあらず)を呼び熱海まで新婚旅行だと大盤振る舞いしたもんだから、おいちゃん達と大喧嘩。ついには博とガチンコ一騎打ちになってしまう。ついに家を飛び出し旅に出る。

1ヵ月後、おいちゃんとおばちゃんが湯ノ山温泉に旅行に出掛けた先で、番頭として働く男の噂を聞く。どうやらおかみさんが気に入ってそのまま居付いてしまったらしい。その男こそ何を隠そう寅次郎なのである。

前2作が寅帰る→喧嘩して出て行く→旅先で美女に会う→また戻るというパターンに対して3作目は旅先でロマンスを膨らませる。よってフラれた寅さんを慮るのはとらやの面々ではなく、旅館の従業員たち。下足番(左卜全)がいい感じでおいちゃん風に「馬鹿だねー」と言ってるのがおかしい。

それからこの作品では寅さんが若者の恋指南役を買っている。おかみさんの弟の河原崎建三と芸者の香山京子のキューピットとなって旅立たせる。この二人がうまく行かなかった理由がまた時代を感じさせ、儚い。こういう部分をさりげなく映し出すのもシリーズの特徴かもしれない。

今回の笑いどころ
1.寅さんが河原崎建三にコタツの中で手を握れ、と指導。コタツには男女2人ずつ。お約束だが、手を握り合っていたのは2人の男。
2.かっこよく江戸川の河川敷をあばよと立ち去ろうとするが、ずっこけ。



posted by 映画のせかいマスター at 07:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 男はつらいよ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年08月23日

続・男はつらいよ(男はつらいよ2)#418

1969年11月 日本 

オープニングはその後のシリーズに定着しつつ1作目にはなかったパターンから始まる。そう、寅さんの夢のシーンである。今回の夢は物語と深く関連があり、寅次郎の母親が登場する。寅のイメージの母はやさしく上品だ。そして蒸気機関車の音に起こされ・・・。

約1年振りに柴又に帰ってきた寅。とらやの新しい店員の女の子は寅次郎のことを知らない。前作のラストで誕生した満男は相変わらず四角い顔が寅に似てるなんて言われてる。なんだか渋い寅さん、ちょっと寄っただけですぐに旅にでてしまうが、散歩先生(東野英治郎)の家を立ち寄ったら、美人の娘さん夏子(佐藤オリエ)に会い、そのまま食事をご馳走になるが、急に胃痙攣を起こし緊急入院。このへんの流れはTVドラマシリーズと関係があるらしい。映画だけ見てたら夏子と努先生の出会いの場を作っただけのように見える。

さて、病院でも例の調子で大騒ぎ、夜は抜け出し弟分の登と居酒屋で一杯。お金の持ち合わせが無いことに気付き、無銭飲食で警察のご厄介に。2作目は涙もろいさくらは号泣、いづらくなってまた旅に出る。京都・清水寺、嵐山で源吉(佐藤蛾次郎)をサクラに占い師をしているところを観光に来ていた散歩先生にばったり。正職につけと説教する先生に、寅は京都に母親がいることを告げる。

ここで、2作目のメインの1つでもある母親とのエピソードが始まる。グランドホテルという名前だけはそれなりのラブホテルに母を訪ねた寅次郎と夏子は夢に出てきた母親に会うが人違い。本当の母親はそこの経営者の菊(ミヤコ蝶々)であることが判明するが、冷たくあしらう菊に寅はショックを隠し切れず、宿で号泣する。

ミヤコ蝶々って凄いエピソードが残っているが、役の上でも存在感ばちくりだ。寅の母親役はこの人しかいないだろうという貴重な立ち居振る舞いである。

んでもって、この後、夏子は病院の先生と仲良しな場面を目撃した寅は柴又を去っていく。全くいいところなし、なのであるが、ラストシーンにはちゃんとホッとさせられる場面が用意されている。新婚旅行に京都に来た夏子が亡くなった散歩先生宛に手紙で報告しているのだが、その中に寅さんとお母さんが京都の橋の上を仲良く歩いているところが目撃されている。「お母さん」と呼びたかった寅は何度も「お母さん」と呼んでいる。靴磨き代をせびるがお菊さんは変わらずにカネは自分で払え〜なんて言っている。母との別離、失恋、死別と続いたつらいことから一転、爽やかなシーンである。寅の母、菊はこの後1作出てくる。

さて話は、その母子の姿を夏子が「お父さんにも見せたかったけど、もういないのね」とつぶやいて終わる。もう一人の主人公でもある散歩先生は、最後に「江戸川で釣ったうなぎが食べたい」とわがままを言い、息を引き取る。寅、源、タコ社長、おばちゃんも巻き込んですったもんだの末、本当にうなぎを釣ってしまうというお手柄も間に合わない。

今回の笑いどころ
・失恋した寅次郎を見るのがつらかったととらやに戻ってみんなで言いあうシーン。電気をつけるとそこには打ちひしがれた寅次郎が。気付かずに「ああいうのを三枚目って言うんだ」と続けるおいちゃん。初代おいちゃんの森川信はなかなかの喜劇役者ぶりである。
・もう一つ、母親とさんざんな別れ方をした寅をみんなで迎えるシーン。「お母さん、お袋、母などは禁句だ」と事前に打ち合わせるにもかかわらず、ついつい出てくる母ちゃん話。TVをつけると「お味噌ならハナマルキ、おかあちゃーん」なんて言っている。このCMはあとで色恋で浮かれた寅次郎が酔って歌いながら帰ってくるときにも口ずさんでいる。

今回の泣きどころ
・やっぱり失恋した寅が2階の部屋でさくらに「顔で笑って、心で泣いて。そこが渡世人のつれえところよ」と声を偲ばせるところですね。

その他どうでもいいことだが、弟分の登は最後に無事就職を決定。源吉は謎のままとらやで働いてる。


posted by 映画のせかいマスター at 06:55| Comment(2) | TrackBack(0) | 男はつらいよ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年08月22日

男はつらいよ(男はつらいよ1)#417

1969年8月 日本 91分

父親ともめて家を飛び出した後、20年ぶりに葛飾に帰ってきた不肖の息子、寅次郎。飛び入り参加した柴又の祭りの旗振りもしっかり決まってる。妹さくらとも20年ぶりの再会。ネクタイを締めてしっかり者になった(と思われてた)寅は、二日酔いのおいちゃんのピンチヒッターでさくらのお見合いに参加する。すっかりほろ酔いになった寅は場をぶち壊し、見合いは破談に。次の日そのことを咎められ、大暴れして(さくらに手を当てるシーンも!)家を出る。

奈良で外国人夫婦の案内をしているところを、御前様(笠智衆)にばったり、むすめの冬子(光本幸子)に再会し、惚れてしまう。上機嫌で2人と共に柴又に戻ってきた寅次郎だったが、帰るなり隣の印刷工場の若い衆らともめてしまう。実はその中の一人・博(前田吟)は以前からさくらに思いを寄せていた。

「俺のようなヤクザな兄貴がいたら嫁になんて行けやしねえ。」とテーマ曲さながらの台詞があるが、寅次郎の横槍にもめげず、この作品で妹さくらは博とめでたく結婚。結婚式では勘当同然で家を出ていた博の父(志村喬)がいきなり現れ、最後に感動の挨拶をする。聞いた寅が涙ぐむシーンは中盤のクライマックスである。

その後48作目まで作られたこのシリーズのパターンは1作目から変わっていない。寅帰る→喧嘩して出て行く。→旅先で美女と出会い何事もなかったような顔をして戻る→失恋して再び旅に出る。→さくら見送る。というおなじみのパターン。
「結構毛だらけ」「そうはいかなの〜わたしゃ入れ歯で歯がたたねえ」の名口上は既に得意としているし、謎の寺男の佐藤蛾次郎やその後もしばらく出てた弟分の登(秋野太作=津坂匡章)もしっかり出ている。駅の食堂で登との別れのシーンも泣ける。それから勿論、タコ社長との言い合いも健在だ。唯一フラれた寅次郎が川辺で「惚れてたのに〜」と自らの気持ちを吐露するシーンは余計だったようでその後はあまり見られない珍しいシーンである。

初代マドンナは光本幸子。

「男はつらいよ」はこの映画の前にTVドラマとして放映され、最終回で寅さんはハブに噛まれて呆気なく死亡。笑顔で手を振るエンディングで去っていったが、めでたく映画として復活を遂げた。

寅さんトリビア
・博とさくらの結婚式で挨拶する工員は渥美清の付き人の石井さん。なんでも撮影の時に大遅刻して、ほとんど稽古もなしに演じたそうで、渥美さんがフォローしたのも親心からだったようです。



明日から5作目まで寅さんシリーズをお送りします。
posted by 映画のせかいマスター at 06:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 男はつらいよ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする